内容説明
説話や伝説を交えて、前九年・後三年・奥州合戦の実態を探り、鎌倉幕府誕生へと繋がる時代の流れを追求。幕府の首長がなぜ常に征夷大将軍なのかを考え、征夷の対象とされた東北と、源氏との戦争の歴史的背景を問う。
目次
1 前九年合戦(前九年合戦以前;『陸奥話記』の世界;前九年合戦後の諸相)
2 後三年合戦(前九年から後三年へ;『奥州後三年記』の世界;後三年合戦の諸相)
3 奥州合戦(「奥州」の時代;鎌倉と平泉;奥州合戦の諸相)
「征夷」の記憶―日本国の成立
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
1952年札幌市に生れる。1985年学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻後期博士課程修了。鶴見大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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河童
4
奥州藤原氏によって100年もの間栄華を誇ったに違いない平泉。最終的には源頼朝の東北政策によって沢山の血が流され、滅ぼされた藤原一族の無念さを考えると、世界遺産として観光の対象にすることがおぞましく感じられます。東北には悲しい歴史があったのですね。2018/02/27
印度 洋一郎
4
前九年の役から奥州合戦までの三つの戦争を、東国武士団と奥羽在地勢力との争いとして読み解く。東国と奥州との因縁は、数世紀前の征夷の時代から延々と続くもので、東国武士にとって、征夷が歴史的テーマだったことを様々な視点から分析している。だから、その宿願を果たした頼朝は武家の棟梁の称号として、征夷大将軍を欲したのだった。それにしても、切り口は面白いのだが、補論が多いし、時々話が脇道にそれるので、余り読み易くない。著者によると、近年の研究の成果を出来るだけ盛り込もうとした”過剰な配慮”だという。う~ん・・・2010/12/29
ようへい
2
仙台の方に観光に行こうと思って読んでみました。義経、頼朝絡みの奥州合戦場は何となく学校で習った記憶がありましたが、その前の前九年の役と後三年の役は全く記憶になく、また読んでもチンプンカンプンでした。まるで百年の孤独を読んでるみたいだ。武力を持ったプレイヤーを朝廷側がコントロールできなくなってきたんだなってことは何となくわかった。平泉に行くかはわからんけどな。2018/05/04
うしうし
1
他の読者の感想にもあったが、節末に補説を挟んだ本書の記述の形式は確かに読みにくい。しかしながら、前九年・後三年合戦をテーマとした書籍を読むのはほぼ初めてであることもあり、合戦の流れを理解するのは面白く読み、大変勉強になった。ただ、著者の歴史観が濃厚に述べられているのは、本書の後半から末尾の章だと思われ、正直いって不勉強な私にはよく理解できなかった。今後は著者の他の著作も読み、氏の歴史観がイメージできるようにしたい。2015/06/13
MNK2
0
「炎立つ」がみたくなってきた。2017/03/16
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- 和書
- フェイスブックの失墜