内容説明
雪山登山者、スキーヤー、スノーボーダーを一瞬にして悲劇のどん底に突き落とす雪崩事故。これまでに起きた雪崩事故のなかから、北海道・尻別岳、青森・岩木山、八幡平・源田ヶ岳、北アルプス・唐松岳八方尾根、北アルプス・剱岳早月尾根、北アルプス・蒲田川左俣谷、石鎚山系・笹ヶ峰、石鎚山系・石鎚山の8件のケースを取り上げ、その事故の原因を究明し、検証する。実例から学ぶことで、遭難防止、安全登山を呼びかけ、大きな反響を呼んだシリーズの文庫版。
目次
北海道・尻別岳 二〇〇一年二月六日
青森・岩木山 二〇〇二年一月十九日
八幡平・源太ヶ岳 二〇〇二年一月十三日
北アルプス・唐松岳八方尾根 二〇〇〇年二月十九日
北アルプス・剱岳早月尾根 一九九七年十二月三十一日
北アルプス・蒲田川左俣谷 二〇〇一年十二月三十一日
石鎚山系・笹ヶ峰 一九九七年二月十一日
石鎚山系・石鎚山 二〇〇一年二月十四日
著者等紹介
阿部幹雄[アベミキオ]
1953年愛媛県松山市生まれ。写真家、映像ジャーナリスト。千島列島、カムチャツカ、シベリア極北などの辺境の山々を踏破し、雑誌を中心にロシア、日本の自然、政治、事件など広範囲な題材を取材、執筆。仕事のかたわら先進的な雪崩知識の啓蒙活動も行なっている。1981年にミニャ・コンガ遭難を体験して生還、1995年から4回の遺体捜索収容を行なった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Satoshi
9
羽根田氏の著作に比べれば、文章が読みにくい。雪崩にあうことがイコール死につながるのではなく、雪崩ビーコン、スコップといった道具があれば生存率は上がる。雪山登山やバックカントリースキーをするのに、雪崩の準備が無いのは、慣れが油断を招いているのか。私は雪山登山をするほど技術を伴っていないので、参考程度ではあったが、考えさせられた。2022/06/21
あき
4
まあ大丈夫だろうという油断から命を落とすのは気象遭難や道迷い遭難と変わらない。ビーコンの有る無しは本当に死活問題とのこと。雪崩用エアバッグも救命率が相当高くなるらしい。そういう必要装備に金を惜しんじゃいけないってことだね。やはり金で買える安心は買った方が良いよなあ。2023/12/07
Happy Like a Honeybee
4
人類が進化し文明が発展しようとも、自然の一部である事は不変である。どんな科学の進歩も自然を否定できない。 手に汗握る展開で一気に読んでしまった。 筆者は雪崩による遭難事故を通して、後世の人間に警鐘を鳴らす。 リスクヘッジするために、何ができるだろうか。2019/01/27
niki
2
雪山は生涯関係ないからと読まずにいたが読んでしまった。一番最初の尻別の話の中で、雪崩に流されながらスノーボードをコントロールして埋没から逃れたスノーボーダーのエピソードには苦笑いしてしまった。まるでサーフィンじゃないか。 日本と海外で雪崩救助のやり方が異なるのははっとさせられたが、これは考え方の違いによるものなのでしょうか。 雪崩は全く知らない世界だったけれど科学的に解明できるのが新鮮だった。他の遭難事故と少し様子が違う。 雪山をやる人には読んで欲しい本です。2022/12/25
北白川にゃんこ
2
やはり雪崩は何処でも起こる。起こるのだ。弱層…覚えておかなければいけない。2020/01/12