内容説明
「六〇年安保闘争」という言葉も、今ではすっかり昔語りとなりました。あの激しかった運動の指導者や体験者も多くは世を去り、若造の一人としてこわごわデモに加わった著者も、気づいてみれば七〇歳を超えています。あれから間もなく半世紀。この間に多くの事件が起こり、世の中はおそろしく変化しましたが、あの年に結ばれた日米安保条約(「新安保条約」)は一字一句も変えられないまま、今も生き続けています。歴史の研究を志したばかりのころに安保条約改定という大事件に遭遇した一人の若者が、条文は変わらないのにつぎつぎと姿を変えていく新安保体制という不思議な生き物を、歴史家として、また同時代人として把握しなおし、その変化の様相を描き、後世に語り伝えたいと書き上げたのが本書です。
目次
1 日米安保体制の発足(日米関係の現代史とは;基軸となった軍事的関係 ほか)
2 安保条約の改定(安保改定交渉の開始;新安保条約の調印 ほか)
3 ベトナム戦争と沖縄返還協定(ベトナム戦争の拡大;日韓条約の締結 ほか)
4 アジアの変容と日米関係の再編(アメリカの対ソ戦略強化と日本の誘引;日米軍事協力の加速 ほか)
5 米軍再編下の日本(九・一一事件;ブッシュ・ドクトリン ほか)
著者等紹介
佐々木隆爾[ササキリュウジ]
1935年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程(単位取得退学)。専攻、日本近現代史。東京都立大学名誉教授・日本大学文理学部史学科非常勤講師、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- 都市の政治学 岩波新書