内容説明
弥生時代像が揺らぐなか、村(集落)の研究は近年大きく進展した。村のさまざまな施設の配置は決してデタラメではなくて基本設計があり、そこには時代や社会の様相が色濃く反映される。村のほかに都市的な集落もあり、首長層の成長や国の成立と展開も追えるようになった。本書では吉野ヶ里などで明らかになった巨大な村の構造とその変化を追ってみた。
目次
弥生時代の範囲と村
1 縄文の村から弥生の村へ
2 国の成立と集落
3 国々の連合と巨大な村
4 弥生居宅と都市論
5 海・山の村と戦争
著者等紹介
武末純一[タケスエジュンイチ]
1950年生まれ。九州大学文学部卒業。九州大学大学院修士課程修了。専攻、日本・朝鮮考古学。現在、福岡大学人文学部教授
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感想・レビュー
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カラス
4
歴史書というより報告書。やたら細かい話が多く、弥生時代はどんな時代であったかという全体像は伝わってこない。やや専門的であまり啓蒙的な書物とは言い難く、弥生初心者が手にとる内容ではないような気が。ただ部分的に面白い話はあり、環溝の有無が弥生と縄文を画するとか、その環溝にも円形と方形があるという話は興味深い。環溝については、その意味と意義について、できれば一章割いて解説して欲しかった。2019/08/27
左京大夫
3
内容に不満はありませんが、やや文章が分かりづらいです。文章というより、文の羅列という感じ。考古学は学問の性質上、どうしても事実というかデータの記載が多くなりがちなので、多少気を配らないと文の構成が単調になりやすいですね。こうした一般書になると顕著だと感じました。2018/06/04
おらひらお
1
2002年初版。10年前の本ですが学ぶところも多い。街区や海村など今日における著者の研究の萌芽がこの本に開示されています。仕事の関係で再読しました。2012/05/02
sfこと古谷俊一
1
集落の構造、遺物の地理的分布などの発掘成果から、弥生時代の社会体制の変化を考える。2008/08/25