出版社内容情報
戦前は東洋経済新報社でリベラル派の論客として活躍し、戦後は政界に転身、吉田内閣蔵相などを経て自民党総裁、首相となる。日中米ソの平和同盟を構想するも、病により退陣を余儀なくされる。本書では、湛山の思想・言論・政策を丁寧に辿り、今日に改めて問いかける。
内容説明
石橋湛山(一八八四~一九七三)ジャーナリスト・政治家。戦前は東洋経済新報社でリベラル派の論客として活躍し、戦後は政界に転身、吉田内閣蔵相などを経て自民党総裁、首相となる。日中米ソの平和同盟を構想するも、病により退陣を余儀なくされる。本書では、湛山の思想・言論・政策を丁寧に辿り、今日に改めて問いかける。
目次
第1章 人間形成
第2章 東洋経済新報社
第3章 小日本主義の言論―一九一〇年代
第4章 植民地全廃論―一九二〇年代
第5章 転換期―一九三〇年代
第6章 言論統制―一九四〇年代前期
第7章 日本再建構想と政界転身―一九四〇年代中期
第8章 石橋積極財政とGHQ・吉田との対立―一九四〇年代後期
第9章 通産大臣と日中貿易関係―一九五〇年代中期
第10章 総理大臣と日中米ソ平和同盟―一九五〇年代後期~六〇年代
終章 湛山イズム
著者等紹介
増田弘[マスダヒロシ]
1947年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。現在、立正大学石橋湛山研究センター長兼法学部特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
8
45年に渡り、湛山の研究を続ける著者の集大成。リベラルと聞くと湛山を思い起こすのですが、さっぱり分かってないので読みました。政府や軍部が推し進める大日本主義に対し、小日本主義を掲げ「最大多数の最大幸福」を追い求めた湛山。著者は「自由主義と個人主義」「合理主義と現実主義」「実利主義と民主主義」「世界主義と平和主義」といった二元性に集約される理念を「湛山イズム」と評する。…なんていうか、バランス感覚に優れていた人なんだろうなあと思う。確かにこういう地に足の付いた政治家がいてくれればと選挙前に思うのであった。2017/10/08