出版社内容情報
東日本大震災の5年を総括し、きたる巨大複合災害対応への視座を提示。
内容説明
大災害の全体構造を分析・解明。東日本大震災の5年を総括し、きたる巨大複合災害対応への視座を提示。
目次
巨大災害としての東日本大震災
第1部 東日本大震災 復旧・復興の5年(データでみる東日本大震災―復興過程の現状と課題;東日本大震災における住宅再建の現状と地域復興との関係;ライフラインの復旧・復興と残された課題―交通を中心に;東日本大震災における被災者の健康支援活動の到達点―5年目の検証)
第2部 東日本大震災の教訓と新たな巨大災害への課題(東日本大震災後の地震学と地震防災;津波防災の課題と新たな取り組み;東日本大震災における液状化被害)
第3部 東日本大震災が投げかけた諸問題(被災者支援の法制度;東日本大震災と保険;災害ボランティアをめぐる課題―東日本大震災から5年目を経て;東日本大震災が企業リスクマネジメントに及ぼした影響;ポスト3.11の災害ジャーナリズムにおける課題と展望)
第4部 福島原発事故 5年の検証(原発災害と安全の思想;原発事故による社会経済問題への消費者・市民の反応;福島第一原発事故後のリスクコミュニケーション;福島第一原発事故と原子力安全規制)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
69
#疑問歌 安全は魔法の言葉HAZOPが索引にもない何目指してるp280.福島第一と島根が津波に弱いという指摘(岩波新書「原発と大津波」) #解説歌 反省のルール仕組はIEC FMEA FTAとHAZOP(アイイイシエフエムイーエフタとハゾップ)IEC国際規格については関係者、事故調査委員会、本書を始めとする論説言及なし。技術者の私的な指摘でちらほら。安全文化・技術を語って安全規格に触れない理由は。自分を含めた標準化関係者の努力不足。日本学術会議の安全工学シンポジウムで毎年発表しても参照してもらえず。無念。2016/05/08
壱萬弐仟縁
40
縮災(Disaster Resilience):2013年頃まで政府・自治体の防災・減災関係者にはあまり意識されてこなかったが、15年に第3回国連世界防災会議が仙台で開催され、クローズアップ(26頁)。東日本大震災は被災3県の激甚被災地内部でも、軽度被害と、激甚被害との格差が極めて大きい(32頁)。鉄道は止まり、自家用車は流され、住宅は消滅した。岩手、宮城、福島ではバス輸送の比重が高まってきたという(82、91頁)。代替手段が重要となる。現在の熊本県の被災者にも参考になる経験かもしれない。2016/07/05