内容説明
中央集権的であったスウェーデンの労使関係が、分権化しているといわれている。そうした状況の下で、スウェーデンの賃金決定システムには、いかなる変化が生じているのか。それとも、実はその要所において、大きな変化は生じていないのか。本書は現地調査をもとに、まず賃金決定システムの実態および変化の有無を捉える。その上で、システム形成の動力やスウェーデンの労使関係の知られざる特徴を描き出すことを試みる。
目次
第1章 スウェーデンの労使関係研究の問題点
第2章 労使関係の概観
第3章 中央体制下におけるスウェーデンの労使関係―本当に集権的であったのか?
第4章 出来高給と賃金ドリフト―中央体制下の労使関係が抱えていた問題
第5章 調整活動に関する一考察―賃金交渉を通じて
第6章 現在の賃金決定システム―産業レベルから企業レベルまで
第7章 賃金制度の個別化と企業内労使関係―ボルボの事例を通じて
第8章 もう一つの企業レベルにおける賃金交渉―オートリペアセクターの労使関係を通じて
終章 スウェーデンの労使関係―労使関係論的視点を通じて
著者等紹介
西村純[ニシムライタル]
2004年同志社大学経済学部経済学科卒業。2010年同志社大学大学院社会学研究科産業関係学専攻博士課程後期課程修了。現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構研究員。博士(産業関係学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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