内容説明
福沢諭吉は戦後の左翼が批判するようなアジア侵略論者なのか。本書ではまず、福沢のナショナリズムの由来を踏まえたうえで、膨大な著作、とりわけ『時事新報』無署名社説の起草者を認定することを通じて、石河幹明ら周囲の人々の主張と明確に仕分けする。はたして新聞人として読者に伝えようとした福沢の「独立自尊」と「文明政治」とは、いかなる内容だったのか。本書ではその核心を詳細に論じる。
目次
第1部 福沢諭吉とナショナリズム(ナショナリズムの根拠―福沢諭吉の場合;福沢諭吉は公金一万五千ドルを横領したか;『学問のすヽめ』と『文明論之概略』;福沢諭吉は挑戦甲申政変の黒幕か)
第2部 『時事新報』論説の作られ方(『時事新報』論説とは何か;無署名論説からいかに福沢を見つけだすか;『時事新報』の「我輩」たち(一)―中上彦次郎時代
『時事新報』の「我輩たち(二)―伊藤欽亮時代から福沢捨次郎時代へ」)
第3部 ありがちな批判に答える(福沢への不当な評価―安川寿之輔著『福沢諭吉の戦争論と天皇制論』と杉田聡編『福沢諭吉 朝鮮・中国・台湾論集』;『時事新報』論説は誰の思想を表しているか;『時事新報』の論調は、対アジア強硬論一辺倒か;『福沢諭吉の真実』への反響)
第4部 独立自尊と文明政治(「朝鮮人民のために其国の滅亡を賀す」と文明政治の六条件;誰が『尊王論』を書いたのか;石川幹明が信じられない三つの理由―『福沢諭吉全集』「時事新報論集」の信憑性について;福沢諭吉における国家と個人)
著者等紹介
平山洋[ヒラヤマヨウ]
1961年神奈川県生まれ。1986年慶應義塾大学文学部哲学科卒業。1992年東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。1996年ハーバード大学ライシャワー日本学研究所客員研究員。現在、静岡県立大学国際関係学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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がんぞ
叛逆のくりぃむ