内容説明
自らの体制保持のみを追求したとされる朴正煕は、国際政治における韓国の「力」をどのように認識し、外交安保政策をいかに展開したのか。本書では、朴正煕が「自主意識」に基づき、受難の歴史を経験した朝鮮半島をめぐる情勢を逆転させ、国際社会に進み出て韓国の実力を示そうとした姿を明らかにする。併せて冷戦変容期の韓国がどのような手段で影響力を維持しようとしたかも解明する。
目次
序章 冷戦変容期の日米韓三カ国関係の見直し
第1章 自主国家への基盤づくり
第2章 転換期における日米韓関係―プエブロ号事件から沖縄の施政権返還決定まで
第3章 駐韓米軍削減決定をめぐる日米韓関係
第4章 国連の朝鮮問題討議をめぐる日米韓関係―中国代表権問題と関連して
第5章 「七・四南北共同声明」から維新体制宣布までの日米韓関係―朝鮮問題討議延期問題との相関関係を中心に
第6章 朴正煕の平和体制構築構想
第7章 日本政府の韓国に対する経済協力政策
終章 冷戦変容期における朴正煕外交の意義と限界
著者等紹介
劉仙姫[ユウソンヒ]
1972年韓国慶尚北道金泉生まれ。1995年韓国外国語大学ロシア語科卒。2009年京都大学博士(法学)。現在、京都大学法学研究科研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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