出版社内容情報
百福さんや平家物語、チェ・ゲバラ…挿絵や図書館、さらにダーウィン、漱石の『明暗』論まで。文学と思想の宴に招待する、大入り袋。
内容説明
インスタントラーメン王や『平家物語』からチェ・ゲバラ、ポストコロニアルの文学まで。110本余の書評にダーウィンやホームズ、漱石の『明暗』等を併収。
目次
1 本を読む?図書館で?(図書館での読み方;書庫にカプセル・ホテルを ほか)
2 短評大会(文化史とは何か;阿片帝国・日本 ほか)
3 時空をつなぐ(全体的な眺め;英国 ほか)
4 ダーウィン、漱石、その他(笑いとほほえみ;恐怖を舞台に ほか)
著者等紹介
富山太佳夫[トミヤマタカオ]
1947年鳥取県西伯郡に生れる。1970年東京大学英文科卒業。1973年同大学大学院修士課程修了。現在、青山学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きりぱい
9
主に新聞での書評を集めたもの。気になるのは、推理小説マニアや英文学者、警察関係者まで必読と言い、英国推理小説の原点があり、読み終えて絶句らしい『最初の刑事』。逆に推理作家やその編集者らは手を出すなと警告し、尋常なる面白さで『オリエント急行殺人事件』が児戯に思えるほどらしい『リヴァイアサン号殺人事件』。諷刺味で英国演劇史上の傑作らしい『世の習い』も気になる。それにしても中央大書庫に19世紀イギリスの雑誌がずらりなのはすごい。そこでひとりきりで過ごすのにカプセルホテルを望む気持ち、わかるなあ。2013/01/14
ロピケ
3
新春に福袋。富山さんが感心したり、ときには苦笑を交えながら選んで詰めた品々。福袋は好みでないものが一つでも入っているのが許せなくて買ったことはないが、この袋に限っては全然構わない。自分では決して手を出さないだろうと思える本が多数紹介されているのに、意外にも読みたいと思わされた本が結構出てきた。ただ、地元の図書館に入っている率が非常に低くておいそれと手に入りそうではない。「漱石入り」って書いてある…あった!奥底に。漱石についての常識が覆されるかもしれないけれど、著者も言うとおり、漱石の作品の魅力はそのまま。2013/01/16
あかふく
2
書評集プラスα。イギリス、ドイツ、フランス、北米、南米、日本……とかなり幅広い本を取り上げながら行ってきたように見える書評ではあるけれど、そこに必ず一つの線が引かれそうだ。著者の専門から言えば当然の視点ではあるけれど。またそれではない視点としては、なによりも「本を読むこと」という視点がなくてはならないだろう。2013/03/14