内容説明
アインシュタインと並び称される今世紀最大級の理論物理学者ニール・ボーアの代表的エッセイ集3巻を一書にまとめる。観測と実在をめぐる両巨人の論争を回顧した「原子物理学における認識論的諸問題に関するアインシュタインとの討論」をはじめ、量子力学のパラドキシカルな諸問題に先駆的な解釈をくだした現代物理学の記念碑的著作である。
目次
原子理論と自然記述(序論的な概観;原子理論と力学;量子の要請と原子理論の最近の発展;作用量子と自然記述;原子理論と自然記述の根底をなす基本原理)
原子物理学と人間の知識(光と生命;生物学と原子物理学;自然哲学と人間の文化;原子物理学における認識論的諸問題に関するアインシュタインとの討論;知識の一体性;原子と人間の知識;物理科学と生命の問題)
続原子物理学と人間の知識(量子物理学と哲学―因果性と相補性;人間の知識の一体性;諸科学間の連関;光と生命、再説;一九五八年度ラザフォード記念講演―核科学の創始者の思い出と彼の仕事に基づくいくつかの発展の問題;リョ氏力学の誕生;ソルヴェイ会議と量子物理学の発展)
著者等紹介
ボーア,ニールス[ボーア,ニールス][Bohr,Niels]
1885‐1962。デンマークの理論物理学者。コペンハーゲンに生まれる。コペンハーゲン大学で学んだ後、1911年イギリスに渡り、ケンブリッジ大学ではJ.J.トムソン、マンチェスター大学ではラザフォードのもとに学ぶ。1916年コペンハーゲン大学教授、1921年理論物理学研究所を創設し、初代所長。同研究所に世界各国の研究者を集め、量子力学の発展に指導的役割を果たした。1922年ノーベル物理学賞受賞
井上健[イノウエタケシ]
1921年大阪に生まれる。1941年京都大学理学部物理学科卒業。理学博士。京都大学名誉教授。2004年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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