出版社内容情報
日本人を変えた“ 忘れられた大戦”第一次世界大戦が、いまだに多くの問題を生んでいる。日本人目線で描く世界史の転回点。
内容説明
第一次世界大戦を理解すれば今日の世界がわかる。日本人が知らない歴史の転換点を金融のプロが読み解く、今を生きるための世界史。
目次
戦争技術の発達
国民国家意識の醸成
兵器産業の国際化と戦艦
世界から見た日露戦争
20世紀の新しい産業
第一次世界大戦勃発
日本参戦
戦線膠着
戦争の経済
消耗戦の中で
新兵器の登場
終戦へ
戦後に残されたもの
著者等紹介
板谷敏彦[イタヤトシヒコ]
1955年、西宮市生まれ。関西学院大学経済学部卒業。石川島播磨重工業(船舶部門)を経て日興証券へ、ウォール街勤務が長い。その後内外大手証券会社幹部を経て、2006年にヘッジ・ファンド設立。現在は作家として活動している。日本金融学会会員、明治大学株価指数研究所アドバイザー、早稲田大学社会人講座講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
この本のもとになるエコノミストの記事連載のときには、読んだことのある部分も思い出しました。1回が2頁だったと思いますが、きちんとまとめられていて読みやすいと思っていました。日本人にとっては、大戦というと第二次大戦となるようですが欧州では第一次大戦のことをいうようです。このような分野の本がなかったので、かなり興味深く読むことができました。項目がいくつにもわかれているので興味のある部分を拾い読みしてもいいのでしょう。2018/01/12
背古巣
45
タイトル縛りの本選び【2023年8月は“戦”】「何故世界は戦争に突入したのか」個人的な見解としては、当たり前なことかもですが、「それぞれの国が自分の国の国益しか考えないから」と感じました。第二次世界大戦を起こしたナチスドイツ、日本もそうかと思います。そして現代のロシアも…。戦争は多くの人命を犠牲にし、その国の国力も著しく低下させます。どんな理由があっても、戦争という手段を取ることは許されることではない。一旦始めてしまったら、勝たなければ、莫大な賠償責任を負わされます。だからやめることが出来ない。愚かです。2023/09/05
hk
21
潜水艦による通商破壊、航空機による偵察、戦車による有刺鉄線と塹壕の強行突破……WW1では新たな戦術が次々に登場し戦争の在り方が劇的に変化した。いわゆる総力戦である。本書はさまざまな勢力が入り乱れたWW1の概要を網羅した労作だ。概要と書いたが単行本400ページ弱の分量は半端ではない。…イギリスが米独間の海底電信ケーブル寸断でドイツを情報戦にて追い詰める様子、タンネンベルグの戦いの衝撃、日和見国の代名詞イタリアにも三分の理、オスマントルコを敵に回してしまったチャーチルの失態…などなど興味深いトピックが満載だ。2018/04/15
たみき/FLUFFY
7
第一次世界大戦のことは、その発端から終結までを実はよく知らない。ざっくりと、第二次世界大戦の始まった原因のひとつとして、その前の第一次世界大戦の時の終わり方が原因とされているという程度の認識だ。 この本は戦争のことだけではなく、金融や産業の面から当時の出来事を説明し、戦争へと向かっていった経緯が書かれている。また、日本とその周囲国についても書かれており、全体を俯瞰して見ることができる。 有名な名称の成り立ちについて、また関連する映画についても触れていて、知っていることの深みが出るし映画好きには嬉しい一冊。2018/05/13
エリナ松岡
7
なかなか厚い本で読むの大変でしたが、技術革新や国境線を中心に現代に通じる色々な物事の始まりが第一次世界大戦というのがよく分かりました。▼はっきり書かれているわけではないですがニュアンス的には、現在の世界状況は第一次世界対戦前夜に似ているところがあって、グローバル経済の発展度合いが世界戦争が起き得る可能性を低く見積もらせてしまっている。そして100年前は残念ながら戦争が起きてしまったので、その時の教訓を生かして現代社会は世界戦争を避けねばならぬ、と。そう言う意味ではタイムリーな本だと思います。2018/01/12