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詩文集 生首

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  • サイズ A5判/ページ数 171p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784620319568
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0095

内容説明

天翔る生首…。いまに向かう殺意の詩化。新たなる言葉の異化。辺見庸がついに行き着いた反世界の究竟。

目次

剥がれて
下駄箱
秋宵
夏至
入江
画角
halo
顔屋

禍機〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

I (et al.)

30
辺見は石原吉郎から大きな影響を受けたと自称しているが、それは屹立するリズムにあるのだろうと思う。石原に見られる沈黙や失語の形象は見られず、むしろ饒舌に語りゆく。夢幻のなかにさまざまな具体がないまぜになって沈んで行く様子、本詩集において、言葉は事物の残響でしかない。事物自体も虚空に消えたのち、そこにはただ想念〈イメージ〉だけが残る。2021/11/08

さっちも

17
ダーク詩集。奇妙な夢を見ているような感覚で引き込まれる。例えば「解体」という詩。それにしてもここは昏い。あまりに昏くて詮ない。「ディオニソスは夜のやみのなかに姿を消したからこそ幸福なのだ」とグルニエは書いた。いまについても明日についても問わないことは幸せである。なにも問わずに、答えのない問いごと、この身体と心を溶暗すべきときがきた。まず、両の義眼をぽろりぽろりと外そう。耳もどき、鼻もどきもべりべり剥がしてしまえ。声もどきも棄ててしまえ。おまえは全体として一個の窪になれ。2019/11/15

きさき

17
★★☆☆☆:グロテスクな雰囲気詩集。ハロウィンの季節には丁度いいかも。理解は出来なかったけど、腐敗した肉体の気持ち悪るさは伝わった。2017/10/30

rakim

16
警鐘に耳を傾けて受け止める時期もあるけれど、打ち鳴らされ続ける鐘の音に倦んでくると五月蠅く思い、やがては聴こうとはしなくなる。鳴らし続けることへの狂気さえ感じてしまう。自分の足下も見なさいよと言いたくなる。それに気付いた彼は静かに生首を飛翔させる。音もなく中空に飛ぶ生首を見た者は現世の腐臭の中で佇むだけ。声を張り上げても届かない虚しさのようなものをこの一冊に感じます。とても辺見さんらしい。見逃せない。(好きじゃないのに彼の諸作品は半分以上は読んでいます)修羅は実は静かに、でも突然に忍び寄るもの。2017/01/23

さっちも

15
不穏な空気に影響されてか、、、タナトス&エロスな言葉の羅列を眺める。不謹慎だけど何だか楽しい2020/04/29

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