出版社内容情報
キリスト教文明とイスラム文明を生み出した母胎ともいえる古代地中海世界は、オリエント、ギリシア、ローマを中心としながらも、多種多様な人々が人類史上初の試みと創作を行った舞台でもあった。そこで展開した壮大な歴史と文化をふりかえることは、現代文明の源流をさかのぼるだけでなく、21世紀の展望を開く機会ともなるだろう。紀元前4千年から紀元後7世紀までの歴史・文化の流れをわかりやすく、また興味深く解説した書。
1.地中海世界の古層ー前四・三千年紀ー
2.地中海世界の激流ー前二千年紀ー
3.諸民族の波動ー前二千年紀末・前一千年紀初頭ー
4.世界帝国の出現ー前一千年紀前半ー
5.オリエント世界の美術
6.都市国家の成立ー前一千年紀前半ー
7.古典期ギリシャー前五・四世紀ー
8.地中海世界とヘレニズムー前四~前一世紀ー
9.ギリシャ世界の美術
10.ローマ共和制ー前五~前一世紀ー
11.地中海世界帝国の形成ー一世紀ー
12.「ローマの平和」と地中海世界の融和ー二世紀ー
13.ヘレニズム・ローマ世界の美術
14.地中海世界の混迷と再編ー三~四世紀ー
15.古代末期と地中海文明の変質ー五~七世紀ー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
9
放送大学のテキストだが、ちくま学芸文庫にも入ってる様子(w。そっち見ればよかったかな?という気はしなくもないのだけれど、侮れない授業をやってくれる放送大学らしいテキストで特筆すべきは中村るいパートの美術史。大体エジプトからギリシアを経由してローマな流れは分かる。本筋も東地中海とオリエントの結びつきなんかをちゃんと書いてる当たりはよろしいかと。ウバイド期から古代末期のローマの分裂までざっとこの界隈の歴史を押さえるには良い本だと思う。ただ、エジプトは詳しいがメソポタミア弱しなトコは仕方ないかなぁ(笑2014/02/22