揺れる大地に立って―東日本大震災の個人的記録

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 279p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784594064730
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

戦争体験者から見た震災。過酷な運命の変化に備えるということ。安全を妨げる「絶対安全」という暴論。この災害に責任はない、と言い切れる人はいない。最大の幸福は信頼に足る上質な1億人の同胞。―すべての日本人に捧ぐ、書き下ろし緊急出版。

目次

第1章 この世の「原型」に見出す光
第2章 過酷な運命との遭遇
第3章 「想定外」との対峙
第4章 「適応力」が試されるとき
第5章 「安心病」との闘い
第6章 十人の美女の寝顔

著者等紹介

曽野綾子[ソノアヤコ]
1931年9月、東京生まれ。聖心女子大学卒。幼少時より、カトリック教育を受ける。1953年、作家三浦朱門氏と結婚。著書多数。一方、NGO活動「海外邦人宣教者活動援助後援会」(通称JOMAS)などを通して、世界に視野を広げた精力的な社会活動でも注目を浴びている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

77
「メメント3.11参加」東日本大震災を通じて著者が感じたことをまとめた個人的記録です。この本を何かに例えるなら劇薬。生半可な覚悟で手にすると逆に傷つくかもしれません。“諭す”という言葉はまさにこういう時に使うのだと思いました。著者自身が戦争を体験されているだけあって、著者から比べると自分がいかに甘やかされて育ったかを痛感しました。義援金の配り方についてはまさにその通り!だと思いました。環境が急激に変わり戸惑われていると思います。そんな心の拠り所となる何かを見つけられるよう願わずにはいられません。★★★★2013/03/12

藤井宏

7
本文より。人間は常にどこかで最悪のことが起きるかもしれないという覚悟を常にしておくべきだ。「規則」「安全基準」などというものは一応の目安であって、非常事態にあってはさっさと無視してかまわないものだという教育が日本にはなかった。車の定員を守って津波から逃げ遅れた例、地元の人の助言に高台に停車させたため助かった電車の例を示す。絶対安心安全はない。臨機応変。非常時には普段してはいけないことでもしていい。2022/10/02

ホン

4
あれから3年を過ぎた今 改めて こういう作品も、と思い読んでみた。”水道も電気もない日が来るわけがない”という固定観念を打破するが如く聖書まで引用して人間の原点から描いている。多くの含蓄のある事柄が書かれているが とりわけ被災者と云えど動けるのであれば周囲の雑事を手伝うことで やりきれなさばかりの精神の緩和にも繋がる(自助精神の必要性)には共感を覚える。何年かに一度は こういう作品を読むべきだと思う。2014/03/31

Yamanaka Shinya

4
曽野氏流のものの見方には、ぶれるところがなくて納得させられるところが多い。現在の生活が今後も続き、安全な社会を確信してしまいそうになるが、それはかりそめのことであって、人間の生活はいつどうなるかわからない、ということをいつも覚悟しておかなくてはならないという思いにさせられた。2012/01/27

Viola

3
震災の記録、報道を観て思うことのつれづれ。報道が言わないこともズバッと言及し、日本人が陥っている安全神話、自分を守ることへの覚悟の薄らぎ、甘えについて指摘する。そもそも安全を保障することなんかできない、と著者は言う。それを理解した上、もしもの時の対処と判断は最終的には個人的なものだ。補償を受けて当然という姿勢は如何なものか。自分が生きていくのに精一杯のアフリカへの訪問を続け、戦争を体験したからこそ言える真理をついた疑問に頷く。2018/08/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4063028
  • ご注意事項