出版社内容情報
国王に就任したばかりのジャロンが、暗殺者に襲われた。切りつけてきたのは、かつての友で、いまは敵となった男だった―。
架空の王国を舞台にした異世界ファンタジー小説。ミステリーの要素もからみ、読みはじめたら最後のどんでん返しまで一気に楽しめる。3部作中の第2巻。
【著者紹介】
米国の作家。ユタ州に生まれ、現在も夫と3人の子どもたちとユタに住んでいる。小学生のときからお話を書きはじめ、2010年にデビュー。
内容説明
カーシア国王一家の葬儀がいとなまれるなか、新国王に就任したばかりのジャロンは、とつぜん暗殺者に襲われた。切りつけてきたのはローデン。かつての友で、いまは敵となった男だった。ローデンは海賊の仲間になり、ジャロンを殺す機会をうかがっていたのだ。さらに、隣国のアベニア国王は、海賊と手を組んでカーシア国に戦争をしかけるつもりでいた。自身と国を守るため、ジャロンはひとり海賊のもとへ向かうが―。
著者等紹介
ニールセン,ジェニファー・A.[ニールセン,ジェニファーA.] [Nielsen,Jennifer A.]
米国の作家。ユタ州に生まれ、現在も夫と3人の子どもたちとユタ州北部に住んでいる。2010年に“Elliot and the Goblin War”(未訳)でデビュー
橋本恵[ハシモトメグミ]
東京生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徳浄さん
20
カーシア国2巻目。相変わらず、嘘はつくわ無鉄砲に海賊軍団に飛び込んでいくわ全く目が離せない。自分の中じゃ正しい事だと思っているけれど周りの人にとっては命知らずで国王としての自覚が足りないことはなはだしい。それでも我が道をいく王は結局自分の国と国民を守ろうと奮闘し続けているんだから、それを応援したくなっちゃうよね。2017/05/26
みゆき・K
19
虎穴に入らずんば虎子を得ず。こんなにこの諺がぴったりの作品はほかにないはず。親である国王暗殺の真実を知り、身分を隠して海賊の中に乗り込むジャロン。恩義がある人をも欺き、味方だと思った人に欺かれる。ハラハラドキドキの連続だ。一見無鉄砲だが、その裏に見え隠れする聡明さとブレない精神力。大切な人を守り抜くために孤軍奮闘する姿こそが王の資質。どこまでもついていきたい!ジャロン様。先の読めない展開とテンポの良い翻訳に惹き込まれて一気読み。続いて第三部へ。(再読本) 2024/02/19
カモミール
12
カ―シア国シリーズ第2巻。王になったものの、早速命を狙われたり、周辺国が戦争を引き起こそうとしていたり、不穏状態。しかも、肝心のカ―シア国内の評議院とも上手くいかず孤立状態。何とか自分1人で国を守ろうと策を練り、自ら危険な中に飛び込むジャロン王。あまりにも無鉄砲で冷や冷やします。苦労のかいあってというか、強運のお陰で、信頼できる側近、友達が増えていきます。きっとこれ、映像にするとすごく面白いんだと思います。2016/01/26
鳩羽
10
新王として即位したジャロンだったが、評議員の信用は得られず、かつての友には命を狙われ、若さを理由に宰相をつけられそうになる。海賊と手を結んだ隣国に対抗するため、ジャロンは単身海賊のもとへ向かう。…王となっても変わらず、口先のはったりや策略で一人きりで戦うジャロン。一人称だが、何を考えているかは読者にも分からず、感情移入しつつもジャロンの強引な展開に驚かされるという、不思議な距離感がある。彼の意図が分かったときに、かっこいい! としびれてしまうのだ。その辺は、ちょっと漫画を読むのと似てるように思った。2016/01/26
ちゃーちゃん
6
カーシア国の王になるも両親を殺した犯人もわかり、かつ評議員からも孤立するジャロン。海賊に国も自分の身もねらわれ、ますます追い詰められていく。しかし正義と民を思う情熱だけで突き進む姿に忘れていた勇気を思い起こさせてくれます。2017/04/25