出版社内容情報
ある日、わたしの大好きな本が図書室から消えたのが、このお話のはじまりだった――小学4年生のエイミー・アン・オリンジャーは、放課後に図書室でゆっくり本を読んですごすのが唯一の楽しみ。でもある日、お気に入りの本、『クローディアの秘密』が、図書室の棚から消えていた。この本が、「子どもにふさわしくない本」として、貸出禁止なったのだ。でも、ある本が子どもに「ふさわしい」「ふさわしくない」って、どういうこと? いったい誰が、どうやって決めるの?
――内気で、いつでもいいたいことをいえずにいたエイミー・アンだったが、貸出禁止騒動をきっかけに、友だちの助けを借りながら行動をおこしはじめる。やがて、その行動が大きな問題となってしまい……。
内容説明
わたし、エイミー・アン、9歳。家ではわがままな妹がやりたいほうだいで、おちつくのは図書室にいるときだけ。でもある日、お気に入りの本が棚から消えていた。いったいどうして?
著者等紹介
グラッツ,アラン[グラッツ,アラン] [Gratz,Alan]
アメリカの作家。第二次世界大戦などの歴史を題材にしたYA、スポーツを題材にした児童書、小中学生向けのSFなど数々の作品を書いている。現在は、ノースカロライナ州に妻と娘と暮らしている
ないとうふみこ[ナイトウフミコ]
翻訳家。上智大学外国語学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
91
児童書、YA。図書館好きのみんなに紹介したい▽4年生のエイミー・アンは本が大好き。家が狭くて騒がしいので放課後図書館で過ごすことが憩いだった。ある日突然、大好きだった本「クローディアの秘密」が貸出禁止本にされてしまいショックを受ける。どうしても本を取り戻したいのに、エイミーは意見を言うのが苦手で言葉が出なかった。そうするうちに貸出禁止の本は増える。エイミーは自分のロッカーを利用して貸出禁止の本を希望者に貸し出す「秘密のロッカー図書館」を始めた。▽面白かった。実在の名作がたくさん出てくるのがいい。2019/12/09
はる
82
子どもたちが力を合わせて大人に立ち向かうストーリーというのはわくわくしますね。頭の堅い大人の発案で、図書館の本が次々と読むことを禁止されてしまいます。本の大好きな少女はクラスメイトたちと知恵を絞りますが…。実在する本がたくさん登場。何故この本なのか、ラストの作者の言葉で分かりますが、その現実にちょっと驚きました。笑えない…。2020/08/28
ぶんこ
67
1人のPTA会長による児童への有害図書と認定された本が、貸し出し禁止となったことから始まる物語。一小学校の図書室にドクター(図書館学博士号)を持つ司書が専任としていることにびっくり。先日読んだアメリカの州立図書館の本でも感じた事ですが、図書館に対する敬意、司書の重要性の考え方が日本と比べものにならない。ため息ものです。そしてエイミー・アンが小4!設定なのもびっくり。長女だからと家では我慢ばかりで、何も言えない。そんな子が大好きな本の為、力を持った大人たちに立ち向かいます。黙っていては伝わらない!2020/09/07
けんとまん1007
60
登場してくる子どもたちの姿・表情・声・心の中が、鮮やかに脳裏に浮かぶ。ドキドキしながらの子どもたち。それをさりげなくフォローする人たちの存在が、いいハーモニーを醸し出している。物理的に、本棚が隙間だらけになる絵を想像するだけで、とても寂しく居たたまれない気持ちになる。しかし、解決のために、こんな方法があるとは・・・。楽しい1冊だ。2022/11/14
帽子を編みます
55
本の虫の成長記です。この本は親目線で読んでしまいます。そして自分の子ども時代を思い出します。はじめはうじうじして言いたいことも言えなかったエイミー・アン、大好きな本が図書室から貸出禁止になったことから、次々に行動を起こしていきます。エイミー・アンの置かれた状況が辛いです、「お姉ちゃんなんだから」であれこれやらされてきた方には響くことでしょう。最後の家出からの感情の爆発の部分ですっきりしました。そして向きあってくれる家族で良かった。ハッピーエンドが嬉しい、本好きには勧めたい一冊です。2024/01/20