ポプラ社ノンフィクション<br> 故郷の味は海をこえて―「難民」として日本に生きる

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ポプラ社ノンフィクション
故郷の味は海をこえて―「難民」として日本に生きる

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  • サイズ 46判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591164204
  • NDC分類 K369
  • Cコード C8095

出版社内容情報

なぜ国を離れなくてはならなかったのか。どうやって日本にたどりついたのか。本書は、日本に暮らす「難民」とよばれる人たちがたどってきた道のりを、故郷の料理に宿された記憶からひもとくノンフィクションです。「難民」とは、紛争や人権侵害などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちのこと。テレビやネットなどで「難民」という言葉はよく見聞きしますが、海をへだてたどこか遠くの国に存在している人たち、と思いがちです。でも現実に、2018年に日本で難民申請をした人たちは1万493人もいます。さらに驚くべきことに、そのうち難民認定を受けたのは、わずか42人。認定率は0.25%です。なぜこのようなことになるのでしょうか。何らかの事情で国を追われ、命からがら日本に逃れてきた彼らは、先が見えない不安の中、尊厳と希望をもって生きていかなくてはなりません。それには、日本の社会のなかで受け入れられることが必要です。つまり、まずは私たちが難民について「知る」こと、無関心でいないことが重要なのです。
<目次>
1章.シリア 2章.ミャンマー 3章.ロヒンギャ 4章.ネパール 5章.バングラデシュ 6章.カメルーン 7章.カンボジア

内容説明

なぜ、国を離れなくてはならなかったのか。どうやって日本にたどりついたのか。思い出のつまった故郷の料理からひもとく、「難民」のたどってきた道のり。

目次

1 シリア 穏やかな「日常」の香り―コーヒー
2 ミャンマー キッチンから笑顔を運ぶ―ラペットゥ
3 ロヒンギャ ロヒンギャと日本のかけ橋に―モヒンガ
4 ネパール 拷問から逃れて日本へ―ダルバート
5 バングラデシュ 家族との再会を夢見て―ビリヤニ
6 カメルーン 引き裂かれた母と娘―オクラスープ
7 カンボジア 内戦を生きぬいた味―コーサイッチュルーク

著者等紹介

安田菜津紀[ヤスダナツキ]
1987年神奈川県生まれ。Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。上智大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

44
難民という言葉は、自分たちが想像している以上のものがると思う。移民と難民の違いがわかりやすい。また、かねてより言われている通り、この国は、難民受け入れに対する姿勢が極端に悪いという事実。いろんな要素からきているとは思うが、いたたまれない。そんな人たちにとってもも、故郷の味は生きている証になると思う。文化・伝統などが凝縮されているからだ。2020/02/23

スー

27
9クルド人から始まる7組の難民の物語。どの話も胸が痛くなる話ばかりでした。国に帰れば命に危険がある証拠を集めても難民認定さい審査に長い期間かかりその間に理由を聞かされずに数ヶ月から1~2年収容される事もあり脅えながら生活しなければならない。好きで母国を出たわけではないのに何故?こんな仕打ちをするのか?と問いたくなりました。確かに難民を装う悪い人も居るだろうけどもう少し血の通った暖かみのある対応は出来ないのだろうか?日本人妻が身籠り体調を崩してるのに収容され会えないなんて犯罪者でもないのに酷すぎる。2021/01/17

たまきら

27
難民問題はすぐそこにある。ふと入ったエスニック料理屋さんで、お祭りの時に、そして、学校で。そして気づくのが、一人一人全く違うつらい出来事があって、そして、それでも故郷の美しさやすばらしさはその人の中に生きているということ。この本は本当に暖かい視線で書かれていて、読みながらにっこりしました。まずは、出会って。人生だもんね。2020/06/25

おはなし会 芽ぶっく 

21
ネパール、カンボジアなど7ヵ国の手作り料理の写真本。ただ作った人は日本に住む難民の方々。日本人は難民と聞いても自分とは無縁に感じる人も多いでしょうが、この方々も「まさか自分がこんなことに…」と思っていたそうです。著者の安田さんは、食にこめられた想いに触れながら掃海してくれています。2018年度ですが、難民申請が1万に対して、認可されたのは42人。申請を受けるまでの道が困難なことが、知られない現実に繋がっているような気がします。2020/01/05

スイ

20
様々な国から難民となって日本に来て、暮らしている方達に、祖国の料理と共に話を聞く。 祖国を出るまでの壮絶ないきさつも胸が痛むが、日本に来てからも長く辛い時間が続いている方ばかり。 日本の難民認定の不透明さ、あまりの狭さについては、聞いてはいるものの実体験を読むと思っていた以上に理不尽。 子ども向けにやさしい言葉で書かれているけれど、内容は決して軽くされていない。 子どものうちから自国の問題なのだから、自分のこととして考えていってほしいという著者の強い願いを感じる。 大人の私はもっとだよ…。2021/10/06

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