出版社内容情報
赤い花のついたわたしのお気にいりのぼうし。ところがある日、そのぼうしが汽車のまどからとんでいってしまったのです。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
18
どんなに汚れても、お気に入りの帽子を大切にしていた自分の息子の子ども時代を思い出して、懐かしく感じた絵本です。 そのくせお出かけ先で何度も忘れて、送ってもらったり、受け取りに再度出かけたり。 親が感じる世界と、子どものこだわる世界の違いを感じたのは帽子でした。 懐かしく感じました。2019/06/09
にゃんた
17
表紙を開いて折り返しにあるさのようこ(佐野洋子)さんの写真が思い切り若い。じっと見てしまう。1976年初版がでたときのままなのね。 お気に入りのもの、それが急になくなっちゃっての思い、新しいものへの抵抗、新しいものと作る新しい記憶、そしてまた大切なものに変わっていく、そんな過程を再体験。 人生ってそういうことの繰り返しだなあ。 子どもでも大人でも経験あるからこそのキュンとする思い、心がちょっと暖かくなれる。 2017/10/15
ほほほ
17
絵本。大切なぼうしをなくして、新しいぼうしを「わたしのぼうし」とするまでの気持ちを丁寧に書いている。”わたし”が少し頑固で、愛おしくもあり頼もしくもある。佐野さんの本に出てくる”おにいさん”は「わたしが妹だったとき」が思い出されて、かすかにさみしい気持ちになる。ぼうしが飛んでいってしまうところ、ぼうしをなくしてしょげるわたし、ぼうしにちょうちょがとまるところ、胸がきゅっとなる絵が懐かしかったです。2015/05/27
おはなし会 芽ぶっく
15
自分のもの(絵本では帽子)を失った悲しさ、新しいものに慣れないモヤモヤした気持ち。自分のお気に入りに思いを馳せる、子どもの頃の素直な気持ち。【第8回 講談社絵本賞】2021/04/11
遠い日
14
自分になじんだ自分の持ち物へのこだわり、愛情がなんともほほえましい。なくしたからといって、おいそれと次の新しい帽子を自分の「物」とは認められない複雑な気持ち。初々しい子どもの心の襞。なんだか忘れ物と再会したみたいな気分です。2015/06/09