承認―社会哲学と社会政策の対話

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  • サイズ A5判/ページ数 433,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784588625299
  • NDC分類 361.1
  • Cコード C1030

内容説明

一橋大学大学院社会学研究科の先端課題研究において、「承認」をキーワードに新しい社会状況に対応する社会政策のパラダイムを構想し、政策への応用を試みた共同研究の成果。最先端の研究動向の検討とともに、尊厳の毀損、差異、アイデンティティにかかわる問題を「承認」においてすくいあげ、社会政策、教育学、障害者福祉、ジェンダー論、多文化主義論、政治学など諸領域を横断する体系の構築をめざす。

目次

承認論の射程―社会政策の新たなパラダイム
第1部 理論編(リベラリズム批判としての承認論―「正義」と「善」の関係をめぐって;政治的リベラリズムにおける承認論の射程;承認と正義―「再分配/承認」論争とその後;労働・承認・闘争―アクセル・ホネットの「労働と承認」論;社会正義と制度的権力)
第2部 政策編(学校教育と承認をめぐる問題;教育学の承認論的転回?―あるいは、アナクロニズムの甘受について;障害者政策における承認―当事者主義の台頭と障害肯定論の広がりを踏まえて;スポーツと承認―その社会政策への利用をめぐって;福祉政策における承認―フランスの最低所得保障改革を事例として;承認がうみだす新たな排除とは何か―フランスにおけるマイノリティ承認と「セクシュアル・デモクラシー」;多文化主義の研究動向―民族・人種マイノリティの承認;承認の臨界を考える―あるペドファイル(小児性愛者)男性の語りから)

著者等紹介

田中拓道[タナカタクジ]
1971年生まれ。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学)。一橋大学大学院社会学研究科教授。政治理論、比較政治学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゆう。

29
本著では先進諸国の社会政策が再分配パラダイムから社会的投資パラダイムへと変化し、それを越えて承認パラダイムに基づく政策が必要だと問題提起しています。再分配とは従来からの社会政策になり、社会的投資は就労支援へと結びつける政策です。現在の日本の社会保障政策などはこの社会的投資と深く結びついています。承認は社会的な存在の軽視・毀損が生じたとき相互承認に向けた闘争の重要性を打ち出しています。しかしわからない部分も。再分配機能を再評価しつつ承認論から学ぶことはできないものなのかとも思いました。刺戟的内容でした。2017/05/21

kotte

14
田中拓道先生編著の「承認」に関する論文が集められた本です。承認研究の第一線で活躍されている先生方の論文であるため、勉強不足の私にはとても難しかったです。ただ、私はサラリーマンなので、非正規雇用の問題等について書かれている、第4章「労働・承認・闘争―アクセル・ホネットの『労働と承認』論」(日暮雅夫先生)だけは理解しやすかったです。全体的に理解を深めるためには再読する必要がありますが、難しくて気力が湧きません(笑)2017/06/14

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