出版社内容情報
異なる背景を持った文化を容認し共存をはかる多文化主義という立場は、1980年代以降、政治的言説で一定の市民権を獲得してきた。リベラリズムやデモクラシーとのかかわり、その進化と展開、問題点などを理論と事例研究により検討する。具体的事例としてアメリカ、ベルギー、フランス、オーストリア、ドイツ、ロシア、ボスニアを取り上げ、日本の第一線の政治学者8名が多角的な考察を提示する。
内容説明
政治史と政治思想から多文化主義をとらえる。アメリカやフランス、ボスニアなど7カ国の事例と理論から、問題点や限界も含めて多角的に考察した第一線の政治学者による共同研究。
目次
第1部 多文化主義の政治理論(リベラルな多文化主義の形成と展開;多文化主義とデモクラシー)
第2部 現代多文化主義の形成と展開(アメリカの多文化主義と社会福祉政策;ベルギーの多文化政策と移民問題;フランスにおけるムスリムの平等―カラー・ブラインドな「差別との闘い」と「信教の自由の保障」)
第3部 現代多文化主義の拡大と進化(オーストリアとドイツにおける国家とムスリム―社団的統合対リベラリズム;ロシア多民族連邦制と「多文化主義」―帝国と民族自決のあとで;ボスニアにおける多民族主義と民族主義)
著者等紹介
飯田文雄[イイダフミオ]
1961年生まれ。神戸大学大学院法学研究科・教授(政治学原論、現代政治理論、西洋政治思想史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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