内容説明
動学確率的一般均衡モデルを用いてマクロ経済学は進化してきたが、多くは割引率一定、期待効用理論、閉鎖経済のもとでの研究であった。しかし現在、より現実の現象を捉えるため、可変的割引率、非期待効用理論、開放経済モデルなどが発展中である。本書は、精力的に活躍中の若手研究者たちが、純粋理論、現実経済を説明するための応用理論、経済データにもとづく統計的手法としてのエコノメトリックス分析、よりモデルを重視したカリブレーション分析といった、理論と実証の両面からアプローチする学術的成果である。
目次
第1部 純粋理論(主観的期待効用理論―エルスバーグパラドックスの解消とポートフォリオ選択への応用;σ‐代数上の選好順序と効用表現について;カッセルによる累積過程の分析)
第2部 応用理論(資産流動化時代の経済連動;再帰的効用と2タイプの貨幣経済モデル―定常状態の安定条件;日本国際の安定市中消化の持続可能性―金融機関による大量保有と金利上昇リスク)
第3部 エコノメトリック分析(日本において購買力平価は成立していたのか;主観的業況認識と投資行動―投資のダイナミクスと地域間格差;アジア経済における国際景気連動)
第4部 カリブレーション分析(外部習慣形成をもつRBCモデル;インフレと内生的成長のこぶ型の関係;貿易政策としての競争政策;国際貿易における資本財の役割―吉峯論文について)
著者等紹介
宮崎憲治[ミヤザキケンジ]
法政大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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