内容説明
1990年代、コンピュータと通信技術の融合によるインターネットの登場は社会に一大変革をもたらしたが、その急速な普及の背景には情報技術(IT)の革命的な進歩があった。そして、バブル崩壊以降に低迷を続けている日本経済を下支えし、その牽引役となってきたのも、じつはITの最先端技術や応用技術である。本書は、この十数年間にわたって、鉄鋼、製紙、電力、自動車、移動体通信、ヒューマンインタフェース、教育などの産業や分野において、ITがどのように活用され生かされているかを各専門分野の第一線から報告するとともに、台湾におけるITへの国家戦略的な取り組みや、IT産業とそれへの政策をめぐる日米の違いについても論じる。
目次
第1章 技術革新によるケータイ・クルマ社会のグローバルニッチビジネスの創造
第2章 プロセス制御用コンピュータのダウンサイジング・オープン化と鉄鋼系システムソリューション会社の誕生
第3章 抄紙機の自動抄替え制御システムへのITの活用
第4章 ITを活用した自動車(走行)試験装置の変化
第5章 ヒューマンインタフェースとIT
第6章 インターネットパケットの経済性
第7章 大学教育におけるITの活用―私立大学における先端的導入事例
第8章 北米の規制緩和環境下の電力産業におけるITの役割
第9章 台湾における財団法人工業技術研究院とオープンラボ
第10章 台湾のITハードウェア産業―ITバブル崩壊をのりこえた2002年の実績と将来展望
第11章 わが国におけるIT産業の現状と問題点
著者等紹介
小沢和浩[オザワカズヒロ]
法政大学経済学部教授、法政大学多摩情報センター所長。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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