出版社内容情報
1977年以降,通貨危機から銀行危機へ,さらには経済危機へと深刻化したアジア各国の金融情勢を分析し,構造的な問題点を明らかにしつつ改革の行方を展望する。
内容説明
「奇跡」の高成長を享受した1990年代東アジア経済は、1997年7月をもって暗転し、通貨危機から銀行危機へ、さらには経済危機へと深刻化する。本書は、アジアにおける金融システム改革という中長期的視点からアジア各国の金融危機を位置づけ分析するとともに、それぞれの金融システムが抱える構造的な問題点に光を当て、改革の行方を展望する。東北アジア3カ国(日本、韓国、中国)、アセアン4カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン)に加え、危機の震外にあった南アジアのインドを取り上げた共同研究の成果。
目次
第1章 アジアにおける金融危機とビックバン
第2章 1990年代日本の金融システム危機
第3章 韓国における金融危機とシステム改革
第4章 中国の金融システム改革―不良債権の発生と処理の視点から
第5章 タイにおける金融システムと金融危機
第6章 インドネシアの金融自由化と矛盾
第7章 マレーシアの金融危機とシステム改革
第8章 フィリピン金融自由化政策の20年―ミクロ的主体均衡と金融自由化論
第9章 インドの金融改革―銀行制度と資本市場