出版社内容情報
戦後台湾、二二八事件に端を発する白色テロ時代のさまざまな局面を見事に描き出して、その全貌を浮かび上がらせた連作小説集。
内容説明
平凡な小学校教員・簡阿淘は、突然、特務警察によって「政治犯」として逮捕され、非公開の密室裁判を経て投獄される。簡阿淘の波乱に満ちた半生を通じて、戒厳令下の台湾の人々の日常生活や社会的・政治的苦悩を鮮やかに描き出し、二二八事件に端を発する白色テロの全貌に迫った長篇小説。附録として著者自身による回想録『一台湾老朽作家の告白』などを収める。
著者等紹介
葉石涛[イエシータオ]
1925.11.1‐2008.12.11。作家・評論家。日本統治下の台南市の小地主の家に生まれた。1943年3月、若くして『林からの手紙』で文壇にデビュー。敗戦を日本帝国陸軍二等兵として迎えるが、1951年秋、台湾共産党との関係を疑われ、3年に及ぶ獄中生活を送る。出獄後、ボイラーマンなどの職種を転々とした末、小学校教員に復職。十数年の空白期を経て著作活動を再開、創作を発表するほか、1970年代における郷土文学論争の主要な論客の一人となった。「中華文芸協会文芸論評奨」・「国家文芸奨」など多くの賞を得ている。没後、台南市に「葉石濤文学記念館」が建設された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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