出版社内容情報
日本統治下の朝鮮、南方、南洋、そして米軍政下の沖縄をとりあげ、占領する側の文学とともに、占領される側の文学についても考察する
内容説明
日本近代の、特に昭和文学のアジアとの関係について、…大きくいえばそれは占領と文学との関係ということになる。中でも時代と距離感を持っていたと思われる中島敦や井伏鱒二を軸にし、他の作家を視野に入れて、昭和文学と朝鮮、昭和文学と南方、昭和文学と南洋について述べてみたい。併せて、占領と文学というテーマは、戦前・戦中日本のアジア占領だけでなく、戦後アメリカの沖縄占領も視野に入れる必要があろう。つまり、占領する側に立った文学の問題のみならず、占領される側の文学の問題をも共に考えてみたいということである。
目次
第1章 「朝鮮」(「昭和」文学の「朝鮮」;中島敦 ほか)
第2章 「南洋」(南洋の旅;国語読本 ほか)
第3章 「南方」(井伏鱒二;THE SYONAN TIMESの挿絵・漫画 ほか)
第4章 沖縄(占領政策;心音 ほか)
第5章 記録(戦記小説;記録文学 ほか)
著者等紹介
浦田義和[ウラタヨシカズ]
1949年、熊本県天草に生まれる。北九州大学、熊本大学大学院を経て、1982年、法政大学大学院修了。沖縄国際大学短期大学部教授、九州女子大学文学部教授を歴任し、1997年より佐賀大学文化教育学部教授。文学博士。近代文学専攻。2001年から04年には日本社会文学会代表理事を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。