出版社内容情報
日本語は漢語や西欧語の翻訳の影響によって作られたという視点から書き言葉としての日本語の成立事情を考察し,混迷する日本語表現に明快な指針を示す文章読本。
内容説明
日本語は漢語や西欧語の翻訳の影響によって作られたという視点から、書き言葉としての日本語の成立事情を考察しつつ文章語の問題点を鋭く摘出し、未来の日本語への可能性をさぐる明快な文章読本。話し言葉と書き言葉のちがい、句読点や文末語の使用法、段落の切り方、語感と文体との関係などを、作家や翻訳者たちの豊富な文例を示しながら平易に説き、混迷する日本語表現に明快な指針を示す。
目次
第1章 作られた日本語
第2章 日本文の二重構造
第3章 句読法の歴史
第4章 日本文と文末語
第5章 日本文をどう書くか
付録 対話助詞と新しい口語文
著者等紹介
柳父章[ヤナブアキラ]
1928年東京生まれ。東京大学教養学科卒業。翻訳論・比較文化論専攻
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感想・レビュー
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ががが
2
日本語の書き言葉は翻訳によって作られたということから日本語の文体論を展開していく。句読点の付け方や文末の表現などを取り上げて西洋書物の翻訳の影響を見ていく。なかなか面白しろいが小難しく考えすぎてる印象もところどころ受けた。2014/12/01
samandabadra
0
柳父章 ものはどれも興味があるので よんでます。 これは、日本語にとって文とは何か ということを探求しています。 句読点の使い方 常体と敬体の混用 段落の分け方 など、 どのような変遷を遂げたのか の探求は、ただただ感心するばかり すばらしい 2009/12/04
渓流
0
日本語には2つの言語があるという指摘目から鱗にして納得。単に、日本語をどう書くかのハウツー物に有らず、でも正しく、日本語の書き方の本である。また、書き言葉が、訓読文の流れを受けた、翻訳-直訳-にその源があるという指摘も興味深い。2020/10/09