出版社内容情報
〈矛盾の塊〉のような人間だったワーグナー。その作品はもとより厖大な著作の森に踏み入って,「私の全体を見てほしい」と語ったこの巨匠を陰影豊かに照らし出す。
内容説明
「私の全体を見てほしい」。夢見るユートピアンだが事業欲の権化、革命家であると同時に王党派、コスモポリタンである熱烈なドイツ主義者、仏教に関心を持つプロテスタント、劇場人にして書斎人、といった“矛盾の塊”ワーグナー。作品はもとより厖大な著作の森に歩み入り、巨匠の襞と陰影を照し出す。
目次
十九世紀を代表する芸術家・ワーグナー
知られざるワーグナー
神々と半神と人間と―『ニーベルングの指環』の主要登場人物たち
ワーグナーのヒロインたち―ジークリンデとブリュンヒルデを中心に
『ラインの黄金』
『ジークフリート』
『トリスタンとイゾルデ』
ゲイスから媚薬へ―イゾルデの変容
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
「シャリバリ」としての『マイスタージンガー』〔ほか〕