内容説明
現代イエメンの経済・文化・社会に大きな影響力をもつ嗜好品カート。その生産・流通・消費をめぐる現地調査を通じて、イエメン独自のイスラーム社会を描いた民族誌的研究。商品作物としてのカートについて日本語で書かれた初の総合的モノグラフである本書は、中東世界の多様性のみならず、人類の嗜好品との関係について普遍的な理解をもたらす。地域研究を超えた人文社会科学への貢献。
目次
序論 イエメン、カート、イスラーム
カート伝来と消費の拡大
第1部 カートを噛む(カートをめぐるマナー;消費の変化)
第2部 嗜好品か薬物か(薬物としてのカート;嗜好品としてのカート)
第3部 カートを作る(生産者とカート;コーヒーとカート)
第4部 カートを売買する(流通経路とその効率化;商人、生産者、購入者の関係)
結論 ゆるやかな関係
著者等紹介
大坪玲子[オオツボレイコ]
東京大学教養学部教養学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位修得退学。博士(学術)。現在同研究科学術研究員。専門は文化人類学、中東地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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