内容説明
もっと豊かに、もっと快適に。自給の生活から大きく転換した近代。人々の欲求に光を当てた国際的な共同研究。
目次
日本の消費史の比較史的考察
第1部 ジェンダー・家計・消費(日常生活における家事労働の役割―もう一つの消費史として;雨後の筍のごとく―ドレスメーカーと消費者の国の成長;蒸気の力、消費者の力―女性、炊飯器、家庭用品の消費)
第2部 伝統・近代・消費の成長(家計史料からみた消費生活の変容;甘味と帝国―帝国日本における砂糖消費;着物ファッション―消費者と戦前期日本における繊維産業の成長;甦る伝統―患者と和漢薬業の形成)
第3部 消費の空間と経路(鉄道に乗る―明治期における鉄道旅客利用の進展;民衆と郵便局―近現代日本における消費活動と郵便サービス;戦前期における通信販売の歴史的役割―大衆市場の勃興に先立つ消費史との関係;社用から行楽へ;歴史と消費主義の研究)
著者等紹介
フランクス,ペネロピ[フランクス,ペネロピ] [Francks,Penelope]
リーズ大学名誉フェロー
ハンター,ジャネット[ハンター,ジャネット] [Hunter,Janet]
ロンドン大学LSE教授
中村尚史[ナカムラナオフミ]
東京大学教授
谷本雅之[タニモトマサユキ]
東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
8
面白かった。これまで経済史は主に生産側の事情ばかり明らかにし、消費側の研究をおろそかにしてきた、需要なくして生産はありえないのに……という主張は確かにとなった。サースク『消費社会の誕生』をちょっと前に読んだが、本書でも言及されていた。あれが消費研究第一世代だったようだ。本書内だと炊飯器、ゴルフ、ミシンの話が特に印象的だったかな。そういや子供の頃は蛇の目ミシンとかの看板やたらあったなとか。ちなみにパナソニックは炊飯器の製造辞めちゃったというタイムリーなニュース。歴史は続く。2022/12/31