出版社内容情報
日露戦争後から第一次世界大戦終結期までの日本の中国大陸への経済的進出を、勢力圏外交と借款問題の視角から分析する外交史研究。中国の権益をめぐって欧米列強との競争が熾烈になるなか、日本はどのような戦略をとったのか。鉄道の敷設や幣制改革など具体的事例をもとに、満洲権益と中国本土への進出がいかなる競合関係にあったのか究明する。
内容説明
欧米列強に後れを取るな。辛亥革命後の中国を舞台に日本がめぐらせた戦略とはなにか。満洲権益と中国本土への進出はどのような競合関係にあったのか。鉄道の敷設や幣制改革など、具体的事例をもとに究明する。
著者等紹介
塚本英樹[ツカモトヒデキ]
1982年生まれ。千葉県出身。2018年3月法政大学大学院人文科学研究科(日本史学専攻)修了、博士(歴史学)。専攻は日本近現代史、外交史。現在、葛飾区郷土と天文の博物館非常勤調査員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋津
1
関係国の相互承認に基づく「勢力圏外交」と「国際借款団の事業範囲」に着目し、大陸進出を図る日本と英米仏露中など各国の動向について丁寧に考察されている。時に国際間の協調を逸脱すること(西原借款などの「非公式」ルートでの借款供与)によって協調の維持を図ろうとしたケースなどについて興味深く読んだ。また、本書において中国権益をめぐる日英対立と日本国内に潜在するイギリスへの不満を指摘しているように(第三章)、(特に第一次世界大戦以降の)戦前日本の対外政策を考える上でも非常に意義のあるものであると考える。2020/05/17
ワッキー提督
0
詳しくない分野であったが、読みやすく纏まっており、勉強になった。2020/12/07