出版社内容情報
伊那谷に残る木地師伝書『深山秘録』を紹介しつつ，辺境に忘れられた木地師集落のルーツを探り，伝説に包まれた山の工人たちの歴史の虚実とその生活の変遷を描く。
感想・レビュー
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saba
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｢なれし故郷を放たれて夢に楽土求めたり」｢ねぐら離れ鳥鳴けばいずこ行くか流浪の民」非定住・漂泊の人々に抱くこのようなイメージって、もはや文学の世界で、実際は必ずしもそういう訳ではない。山から山へ移りゆく木地師にも派閥争いはあるし、ご先祖の伝承を創作しちゃったりもするし。膨大な聞き取りと調査をもとに綴られており、やたらと心情を代弁しないのが良い。とはいえ、山中にひっそりと数基ある石碑に、実は風雨にさらされた菊花紋が…とか絵になりすぎ、妄想がはかどりすぎるのだよな。2023/03/07
