内容説明
なぜ井戸は弥生中期に突如姿を現すのか?当初の目的は、祭祀用の聖なる水を得ることだった。使い方や構造の変遷、宗教や権力との関わりをたどる。
目次
第1章 「井戸」の出現(井戸の定義;開鑿されたわけ;さまざまな説;井戸は土坑の一種)
第2章 土坑と「井戸」(食糧貯蔵穴;木器貯蔵穴;廃棄土坑;祭祀;枠組みのある緯度)
第3章 聖なる水(丸太刳り抜き「井戸」;カミマツリの水;流水祭祀;湧泉祭祀;聖なる石)
第4章 再び井戸の出現について(仏教の伝来;神の観念;身体を清める;井戸は都市の文化)
第5章 井戸の型式―むすびにかえて(各部の名称;分類)
著者等紹介
秋田裕毅[アキタヒロキ]
1943年生まれ。立命館大学大学院修士課程修了。日本文化史専攻。滋賀県立近江風土記の丘資料館・滋賀県埋蔵文化財センターに勤務。2006年8月死去
大橋信弥[オオハシノブヤ]
1945年生まれ。立命館大学大学院修士課程修了。日本古代史・考古学専攻。現在、滋賀県立安土城考古博物館学芸課長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
88
全国の古い井戸の紹介と、井戸の分類は役立った。 現代でも、海外への技術支援に井戸は重要。 日本の井戸の歴史を知ることは、海外の井戸開発に役立つ。2010/03/21
hirayama46
3
井戸と日本古来の宗教感覚との関わりについて書かれた本。やっぱりこのシリーズはクセがありますね……。だんだん慣れてきましたが、やはりかなり偏っているな……と思いつつ読んでいました。人口がそこまで多くない古代では実用的な水資源は川から直接汲めばいいのはなんとなくわかりますし、神道が地下に対する特別な志向があったのも理解できますが、それをひたすら追求していくのは多少は疲労するものもあったかな。とはいえ、最後の章の様々な井戸の構造もあまりピンとはこなかったのですが……。2024/04/16