ものと人間の文化史
人魚(にんぎょ)

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  • サイズ B6判/ページ数 338p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588214318
  • NDC分類 388
  • Cコード C0320

内容説明

“人にして魚”という、人間の想像力が自然との関わりにおいてつくり上げた“異形のもの”の文化を浮き彫りにする。

目次

第1部 ヒトと人魚―文学・歴史・民俗(人魚の生いたち―東西人魚誌;古文献の中の人魚たち;文芸作品の中の人魚たち;人魚伝説の諸相;人魚塚と人魚伝説;世界に伝わる人魚話)
第2部 モノと人魚―美術・工芸・文化(装飾・デザインと人魚;芸術・文化の中の人魚;美術館の中の人魚;街角を飾る人魚;現存する人魚)
第3部 人魚百話(瓦版紙上の人魚;風刺画と人魚;人魚の持ち物;八百比丘尼の入定洞;子育てをする人魚;人魚とヒトとの交接;人魚を祀る神社;妙薬としての人魚と真珠;人魚出版物の受難;人魚を愛したシェークスピア;人魚を唄う歌;人魚映画・紙上鑑賞―銀幕を飾った人魚たち;キリスト教会と人魚―二股の人魚;メミングウェイ・ホームの人魚;海底地名になった人魚―「人魚のハエ」;人魚出現の年代記)

著者等紹介

田辺悟[タナベサトル]
1936年神奈川県横須賀市生まれ。法政大学社会学部卒業。海村民俗学、民具学専攻。横須賀市自然博物館・人文博物館両館長、千葉経済大学教授を経て、千葉経済大学客員教授。文学博士。日本民具学会会長、文化庁文化審議会専門委員などを歴任。著書に、『日本蜑人(あま)伝統の研究』(法政大学出版局・第29回柳田国男賞受賞)ほか。平成20年春叙勲旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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メイロング

2
ちょっと人魚をさらっておきたくて、手に取ったらそのまま読み続けてしまった、うれしい誤算。人魚について、とりあえずこれを押さえておくのが基本で、その上で数々の資料に当たっていくスタイルがベターなのかな。広範な知識、図版、とにかく人魚と名の付くものは見逃さない姿勢は、どんな理由で人魚を調べ始めた人間も拒まない、まさにターミナル駅のような威容を誇る。2014/08/06

pinkpandaxxx

2
人魚が実在したか否かはあえて問わない、人魚というファンタジックな存在をめぐる「想像力の文化史」です。人魚関連の資料は舞台が西洋か日本のどちらかに偏っていたり、古いものは絶版で手に入らなかったりするので、こちらは比較的新しく、なおかつざっと世界の人魚像をつかめるのでおすすめ。何より著者の田辺先生の並々ならぬ人魚愛が凄い。将来的に「人魚観音」や「人魚菩薩」の信仰まで考えているなんて…。 貝殻のブラをしている人魚は人魚と認めたくない気持ち、確かにわかる笑2013/10/11

にたす

2
レポートの資料として借りた本だけど、せっかくなので読んでみた。又聞きのような部分がけっこう多いのと、民俗学的な話もあればシェイクスピアが出てくるという感じなので、いまいち対象がわからなかった。学術書というよりは人魚ファン向けの読みにくいガイドブックといったところか。2012/02/01

fuchsia

2
人魚マニアによる人魚マニアのための人魚の本。アザラシ少女とか人魚と鮫、ジュゴンの関係とか色々。2008/10/26

竜王五代の人

1
人魚についてあれもこれも、とあんまり収拾がついていない感じ。ポセイドンとトリトンの解説なんぞ何回繰り返されるんだか。「ものと人間の文化史」という叢書名だけあって人魚の造形作品は多く紹介される。けっこう戯画的なものも。それにしても、人魚は日本語では人魚としか言わないみたいだな(海女房とかも出てはくるけど。八百比丘尼絡み除くと人魚伝説はあんまりないとか)。あと、血止めに効く人魚の骨って、何が化けたものなのだろう?2023/01/02

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