内容説明
その思索の根本を貫く「性起」を論じてハイデッガー研究に新たな地平を拓く。「性起」を、「存在、時間、世界、物、真理、言葉、芸術、奥義、亀裂」等との関わりで論じ、西田幾多郎「自己論」との比較をも通じて、哲学のみならず人間の抱える根本問題の一つとしての「“自己”とは何か」の問いに挑む。
目次
序論
本論 ハイデッガーにおける「自己」の問題と「性起」(「自性」と「奥義」と性起(真理と性起)
「存在の亀裂」と性起
“時間”という謎―時間と性起
「存在」:「ある」ということをめぐる「格闘」―存在と性起
言葉と性起
“物”という謎:根源的物性―物と世界と性起
芸術の可能性―芸術と性起
ハイデッガーの「性起」とは何だったか―ハイデッガーにおける「自己」)
展望 性起と思索の可能性―“自己”の問題の新たな可能性へ(哲学と“自己”との一つの可能性―ハイデッガーと西田哲学;“自己”の真相:“自己”の問題の新たな可能性へ―“自己”という「事態」:“自己する”自己)
著者等紹介
小柳美代子[コヤナギミヨコ]
早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。現在、早稲田大学教員、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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