叢書・ウニベルシタス
情念の政治経済学 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 168,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588099854
  • NDC分類 331
  • Cコード C1330

目次

第1章 どのようにして利益は情念に対抗すべく持ち出されたか(栄光の観念とその没落;「ありのまま」の人間;情念を抑圧し、そして管理して;情念を相殺するという原則;情念の調教師としての「利益」と「諸利益」;新しいパラダイムとしての利益;利益が支配する世界の持つ財産、すなわち、可測性と恒常性;罪がなく穏和なものとしての金儲けと商業;おとなしい情念としての金儲け)
第2章 なぜ経済の拡大は政治秩序の改善をもたらすと考えられたのか(この学説の構成要素;関連しつつも、くいちがう見方)
第3章 思想史のエピソードをふりかえって(モンテスキュー、スチュアートのヴィジョンはどこで誤りを犯したのか;「利益の支配」対「プロテスタントの倫理」;今日の問題)

著者等紹介

ハーシュマン,アルバート・O.[ハーシュマン,アルバートO.] [Hirschman,Albert O.]
1915年ベルリンに生まれる。ベルリン大学で学び、反ナチ活動によって、パリへ亡命。高等商業学校で学ぶ。その後、ロンドン・スクール、トリエステ大学で学び、経済学者として、イタリアとフランスでデビューしたが、40年にアメリカにわたり、以後、開発経済論、組織論、政治・経済思想史などの広い分野で経験主義的で独創的な仕事をした。カリフォルニア大学、連邦銀行局、イェール大学、コロンビア大学、ハーバード大学、プリンストン大学などで研究員、教授を歴任。プリンストン高等研究所名誉教授

佐々木毅[ササキタケシ]
1942年、秋田県に生れる。東京大学法学部卒業。東京大学法学部教授、東大総長を歴任。東京大学名誉教授。専攻、政治学史

旦祐介[ダンユウスケ]
1956年、東京に生れる。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専門課程博士課程修了。東海大学教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ラウリスタ~

8
驚くほど面白い、目から鱗の政治経済学。現代社会は、皆が金儲けのことしか考えていない平板で退屈な社会であるという雰囲気が、19世紀後半から続いている。しかしこれは、「情念」の危険な暴走を抑えるために、「利益」という別の安全で無害な欲望を玉座に上げたことによる、一種成功したユートピアだったのだ。大罪の一つである強欲を、他の危険な情念を抑圧する安全弁として、真面目で小市民的な労働、金儲けへと昇華させてきた歴史。2015/03/13

コウヘイ

1
「経済的利益の追求」という観念がいかにして西洋社会で是認され、今日に至るまで肥大してきたかについて考察した重要書物。17世紀の度重なる宗教戦争を経て、西洋人はいかにして政治的対立と国家的破滅をもたらす(権力者達の)「情念」を抑制するか知恵を絞った。その試行錯誤の中で、次第に経済的「利益」の拡大こそ「情念」を抑制し、秩序の安定をもたらすという考えが支配的になった。そうした考えは20世紀の二度の大戦で裏切られることになるが、経済的利益の追求が政治的野心・対立の抑制に役立つと考えられていたという事実は興味深い。2018/05/04

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