出版社内容情報
ひたすら低迷するかに見えるかつての覇者スペイン。逆説と矛盾にみちたこの国の歴史を精神史を通じて明らかにし,〈真のスペイン〉への課題とその方位を示唆する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「行き過ぎた愛郷主義」「近代の分離運動においては、言語の差違に非常な重要性が与えられている…フラマン語、エストニャ語、アイルランド語、カタルーニャ語、これらが政治的願望を代弁する価値を帯びるようになった」ただしフランスの方が言語多様性は大きい「愛郷主義の原因は民族的、心理的、言語的差違にあるのではなく、まさにその正反対」「愛郷主義の原因はいかなる地方においても個人主義的であるという性格の一様性、そしてストラボンが、連帯性を抱くためにはあまり適性がないと書いているところの、イベリア的精神なのである」2015/06/03