出版社内容情報
民衆(デモス)を主体とする「真のデモクラシー」を解明するマルクスの試みに、「政治的なもの」への哲学的探求の過程を跡づける。
内容説明
「国家」と「デモクラシー」を安易につなぎ合わせる「民主的国家」という表現に抗して、マキァヴェッリが発見した自由の源泉である、有力者と民衆の絶えざる闘争を導入し、国家とは異なる政治的共同体の探求と、民衆(デモス)を主体とする「真のデモクラシー」を解明せんとするマルクスの試みのただなかに「政治的なもの」への哲学的探求の過程を跡づける。
目次
序説
序章
第1章 理性的国家というユートピア
第2章 政治的知性
第3章 一八四三年の危機から政治の批判へ
第4章 読解上の仮説
第5章 真のデモクラシーの四つの特徴
第6章 真のデモクラシーと近代性
終章
補論 「野生のデモクラシー」と「無始原の原理」
著者等紹介
アバンスール,ミゲル[アバンスール,ミゲル] [Abensour,Miguel]
フランスの政治哲学者。1939年パリ生まれ。「ユートピア」「解放」「批判」といった概念を主軸として、現代における「政治的なもの」を問い直した。ランス大学、パリ・ディドロ大学(パリ第7大学)で教鞭を執るかたわら、国際哲学コレージュ議長を務めた。Payot社の『政治の批判』叢書の監修を担当し、ラ・ボエシ、ブランキの再評価や、アドルノ、ホルクハイマーを中心とした批判理論受容に尽力したことでも知られる。2017年死去
松葉類[マツバルイ]
1988年生まれ。京都大学大学院文学研究科思想文化学博士後期課程。現代フランス思想、ユダヤ思想
山下雄大[ヤマシタタケオ]
1988年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程。政治哲学、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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