内容説明
モダニティの複数性を捉える。ポストモダニティを捉えようとする社会学は確固たる理論的営みであるべきだ。創刊以来27年、斬新なトピックに取り組み続ける学術誌Theory,Culture & Societyの編集長として、グローバルな文化変容を解明してきたM.フェザーストンの著書、待望の邦訳。
目次
第1章 イントロダクション―グローバル化する文化の複雑性
第2章 文化領域の自律化
第3章 パーソナリティ、統一、秩序立った生
第4章 英雄的な生活と日常生活
第5章 ポストモダンなもののグローバリゼーション
第6章 グローバルな文化、ローカルな文化
第7章 ローカリズム、グローバリズム、文化的アイデンティティ
第8章 旅、移住、そして社会生活のイメージ
著者等紹介
フェザーストン,マイク[フェザーストン,マイク][Featherstone,Mike]
ノッティンガム・トレント大学研究教授(社会学、コミュニケーション研究)、Theory,Culture & Societyセンター所長。Theory,Culture & Society編集長、Body & Society共同編集者。1946年生まれ
西山哲郎[ニシヤマテツオ]
中京大学現代社会学部准教授。1965年生まれ
時安邦治[トキヤスクニハル]
学習院女子大学国際文化交流学部准教授。1967年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
3
文化というものがグローバル経済社会にいかなる変容をもたらすか。文化経済学や文化社会学、文化産業論などの視座から興味深い検討がなされる。ただ、1995年の発刊のために、ネットや9.11に3.11の内容を踏まえていないのが残念。しかし、その時点でのグローバル化研究では今でも示唆されることは多い。94頁からの日常生活の言説が書かれ、集団から個人へと分断され、孤立化し、原子と化した個人が無縁化していく。今の日本を言い当てている。エウリピデスが社会的弱者の側に立脚(114頁)。いい人が昔にもいたのだ。ほつれの余裕。2013/03/30