出版社内容情報
18世紀から現代に至る法治国家理論の概要と,ワイマール共和国,ドイツの法理論を分析し,法支配・人民主権・個人の自律という連関モデルの機能転換を考察する。
内容説明
カントから20世紀に至る法治国家理論の全体的な概要と、諸国家の法文化におけるその機能変化を、C.シュミットとの対質のなかで精細に分析し、民主制確立のための理論の構築を試みる。
目次
第1章 ブルジョワ法治国家理論の発展と機能転換
第2章 二つの国家社会主義?
第3章 カール・シュミットの理論における一九三三年の「区切り」について
第4章 カール・シュミットにおける権利の平等と社会的分化
第5章 「保守革命」の社会的・法的諸相
第6章 ヘルマン・ヘラーと連邦共和国の国法学
第7章 高度産業社会における法実証主義の諸側面
第8章 現代における法イデオロギーと社会の現実との関係について
第9章 上部構造としての下部構造、あるいは「現実的」法理論
第10章 法制化、脱法制化、および諸制度の機能転換
著者等紹介
マウス,インゲボルク[マウス,インゲボルク][Maus,Ingeborg]
1937年ドイツ連邦共和国ヴィースバーデンに生まれる。フランクフルト大学およびベルリン自由大学で学んだ後、63年フランクフルト大学(政治学研究所)助手。71年、同大学に「カール・シュミットと憲法制定権力の理論―組織資本主義における市民法理論と憲法理論への政治学的探究」を博士論文として提出。「フランクフルト学派」の問題関心の圏域の内で、社会理論としての法理論・政治理論の構築をめざして学際研究を進め、市民法理論の正面からの批判的検討と現代民主制の社会理論の構築に注力。89年3月に「ドイツ文化・社会史学会」の招きで初来日
河上倫逸[カワカミリンイツ]
1945年東京に生まれる。京都大学法学部卒、同大学院博士課程中退。マックス・プランク・ヨーロッパ法史研究所で在外研究(78‐80)の後、マインツ大学ドイツ研究所(83‐84)、ウィーン大学法学部(84‐85)、ベルリン自由大学東洋部(95‐96)の客員教授を歴任。西洋法制史、ドイツ法、法社会学を専攻。法学博士。現在京都大学大学院法学研究科教授
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