内容説明
ケンブリッジ大学図書館が所蔵する膨大な日本語コレクション。英国三大日本学者・サトウ、アストン、チェンバレンをはじめとする明治時代の外国人たちが持ち帰った数々の貴重書には、平田篤胤や本居宣長らの国学から始まる日本研究の歩みが残されている。柳田国男も無視できなかった同時代の西洋人たちによる学問発展の過程を辿る。
目次
ハインリッヒ・シーボルト・コレクション
なぜ複本が多いのか
サトウの神道・国学研究
サトウの方法
サトウの「日本文学史」
アストンの日本研究
アストンの『日本文学史』
アストンの『神道』
チェンバレン、琉球、『群書類従』、新国学〔ほか〕
著者等紹介
小山騰[コヤマノボル]
1948年愛知県生まれ。成城大学文芸学部卒業、慶應大学大学院修士(日本史)修了。ロンドン大学UCLで図書館・情報学のPost‐graduate diplomaを取得。国会図書館勤務などを経て、1985年から2015年までケンブリッジ大学図書館日本部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
1
著者はケンブリッジ大学図書館に30年勤めた人物。 本書は、同館に収められたハインリッヒ・シーボルト、アストン、アーネスト・サトウ、アストンの蔵書の調査から、イギリスにおける日本研究の歴史と実隊を明らかにしようとしたもの。 著者にしかできない研究であり、きわめて貴重。 アストンらがどのような資料を用い、何を目的として日本研究に取り組んでいたかに迫っている。 2019/09/13
sigourae
0
ケンブリッジ大学の和本コレクションの来歴を中心に、アーネスト・サトウ、ウィリアム・ジョージ・アストン、バジル・ホール・チェンバレンの日本学を辿る試み。サトウのコレクションを中核として、ケンブリッジの和本アーカイヴがどのように成長し利用されたかを丹念に追う。サトウが平田篤胤の国学を学んだことから生じた、イギリスにおける日本学と日本における新国学(柳田民俗学)との微妙なねじれを指摘して終わっている。(知的創造の二次的産物としてのアーカイヴではなく)アーカイヴが生み出した日本学という知的創造のダイナミズム。2018/03/02
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