平凡社ライブラリー<br> プルードン・セレクション

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平凡社ライブラリー
プルードン・セレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582766707
  • NDC分類 309.7
  • Cコード C0310

内容説明

分権制、連合主義、地域主義、相互扶助組織など、一九世紀フランスの情況から切り出された思想が、資本主義の一世紀半、「共産主義国家」の一世紀を経て、いま新たな重要性を帯び、注目を集めている。権力と富との集中を徹底的に拝して、相互保証組織を備えた小規模な集団が契約を通じて政治的な連合を作り上げる―アナーキズムの流れが受け継ぐプルードンの批判と構想、その精髄を抜粋し、テーマ別に編んだアンソロジー。

目次

1 情況の認識(フランス社会の特質;二月革命;クーデターと産業的帝政)
2 自由と労働(社会;自由;相互性―契約;労働)
3 抑圧の構造(所有;国家;教会)
4 あるべき社会を求めて(社会革命とアナルシー;政治的連合と基礎的諸集団;労働者階級の政治的能力)

著者等紹介

プルードン,ピエール=ジョゼフ[プルードン,ピエールジョゼフ][Proudhon,Pierre‐Joseph]
1809‐65。19世紀フランスの社会思想家。貧しい農家に生まれ、印刷工や校正係として働きながら独学、労働者の機能的な分業による集合力が富の基礎であるのに、資本家によって不当に搾取されているとして、多面的な社会批判を展開し、社会主義思想・アナーキズム思想に決定的な影響を与えた

河野健二[カワノケンジ]
1916年、徳島生まれ。京都大学経済学部卒業。京都大学教授を務める。1996年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cockroach's garten

18
プルードンはアナーキズム(無政府主義)を科学的に立証したことから、無政府主義の父と呼ばれている。彼以前に富の平等と自由を訴えた思想家はいた。だが、穴だらけの論理しか持ちえなかった。無政府主義という言葉を聞くと、一見おぞましい破壊的で荒唐無稽な言葉に思え、警戒心を抱くことだろう。しかし、本書を読んだ後には考えは変わるかもしれない。プルードンは自由を追求するため、押し潰そうとする権力に刃を向けた。集合的権力から分権化を。集団と個人の解放を目指した。それは、実にフランス的な考えだ。2017/03/21

oDaDa

5
プルードンが基礎をあたえた分権制、連合主義、地域主義、労働者管理、相互扶助組織などの着想は、こんにち新たな重要性を帯びて復活しつつある(まえがきから)。プルードンのアナキズムを要約すると、「社会を構成する産業や地域の諸集団に自律性を認め、全体社会をそれらの自発的連合によって形成すること」である。国家という概念が暴力装置であり、「資本主義市場経済と政府万能主義は互いに連携して強め合う」かぎり、プルードンの自由を最も重要視するアナキズムの有用性はずっと議論されていくべきだろうと私は考えた。2015/05/02

メルセ・ひすい

4
13-123 赤65 ★5  ひさびさのプルードン よくまとめてある。。今、大不況、経済ひっ迫、自殺王国 等々 第三の道マネマネ総理は喋りすぎて沈黙というか沈没。 基督国家=政府の臓物とは…①人間の本性は本来、邪悪②〃の諸条件は本質的に不平等③敵対と戦争は永久的④貧困は宿命∴結論として⑤政府、服従、諦め、信仰は必然。∴権威のとるべき形態は a.人民は階級やカーストに分割され、それらは相互に従属関係におかれ、階段状に積み重ねられてビラミッドを構成。その頂点には、神が祭壇の上に国王が王座の上にある※2010/07/21

左手爆弾

3
選集なので短い文章が次々に展開されるため、美味しいどころだけつまみ食いするには良い。様々な著作から編まれているので、全体像も大まかにわかるが、当然アナーキズムを理論的に読み解くには、もっと長い文章で見ていく必要がある。ただし、ここでの書き方を見る限り、彼は極めて目標がはっきりしている分、理論的な深さや射程は他の政治思想が持つものから見ればどうしても見劣りしてしまう。むしろ、彼の無視できない観点によって、様々な議論が浮き彫りになる点が興味深い。当然だが、アナーキズムは民主主義すら否定する。2015/02/08

Fumoh

1
プルードンの短い論文をまとめたもので、入門編としても分かりやすく作られている(それぞれの章に解説付き)。プルードンの論述は、トピックが多岐に及んでいたり、たとえ話を用いたり、演説調で煽情的であったりと、わかりにくい事この上ないが、目的はハッキリしている。それは近代社会の矛盾を暴くこと(保守・共和・共産それぞれに対する)、そして民衆の自立を図り、小規模なコミューンによる地方自治及び連合制を目指す、というもの。個人主義も、共産主義も所詮はイデオロギーで、経済学・社会学を発展させるといっても、そのイデオロギー内2024/02/20

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