内容説明
1942年、アメリカ。日系アメリカ人のマナミは、ワシントン州ベインブリッジ島で、家族と幸せに暮らしていた。いつものように学校へ通い、友達と遊ぶ日々は、ある日突然変わってしまった。家族で「強制立ち退き」しなければならなくなったのだという。愛犬トモとも別れて、住みなれた土地をはなれなければいけなくなった…。
著者等紹介
セパバーン,ロイス[セパバーン,ロイス] [Sepahban,Lois]
1974年、カリフォルニア州中部に生まれる。大学では文学を学び、中学校の教員に。作家をめざし、いくつもノンフィクション作品を書いた。『マンザナの風にのせて』で初めてのフィクションを執筆。現在も教員を続けながら、ケンタッキー州の小さな農場で、夫と二人の子どもたちと暮らす
若林千鶴[ワカバヤシチズル]
1954年大阪市生まれ。大阪教育大学大学院修了。31年間中学校で国語科と学校図書館を担当。楽しく読んで考える読書を指導と実践。著書・訳書も多数
ひだかのり子[ヒダカノリコ]
大学で歴史、その後モードを学ぶ。ファッション業界、教育の仕事を経て、イラストレーターとして活動中。切り絵や墨画の手法などで少女、動物、風景、童画などを描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
35
児童書。高学年の課題図書。つい先日山崎豊子さんの「二つの祖国」を読んだばかりだから、タイムリー。キャンプに収容されるときに、離れ離れになってしまった飼い犬への思いが中心となって話が進む。キャンプでの日系人に対しての理不尽な話はあまり描かれていない。児童書では目にしたことがない内容だったので、課題図書になったのはいいことだと思う。日系人だけが収容されていたことを、多くの子供たちに知ってほしい。2019/06/13
わむう
23
第65回全国読書感想文コンクール課題図書高学年の部。真珠湾攻撃直後のアメリカ在住の日系人と日本人移民が強制収容所に入れられる。主人公のマナミは慣れ親しんだ家から退去させらた挙句、愛犬トモと引き離されたショックで失語症になってしまう。時が経ちもう一度自分が守るべき存在である子犬と出会い再び引き離されようとした時、マナミはトモと無理矢理離される時に出せなかった勇気を出して子犬を守ります。2019/05/10
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
22
第二次世界大戦中のアメリカにいた日系人の強制移住について。少女マナミは飼い犬と引き離された事で声がでなくなってしまう。マナミから見た砂漠の中の移住先の暮らしについて。渇いた土地に作物を作り学校に通い仕事を見つけ働く日系人たち。2023/07/07
かもめ通信
20
史実を背景に語られるベインブリッジ島からマンザナ強制収容所に送られた日系人一家の物語。児童文学と侮るなかれ、巻末の訳者解説も含め読み応えのある1冊だ。2018/08/24
のり
16
2019年高学年課題図書。1942年真珠湾攻撃により、アメリカに移住していた日系アメリカ人さえも強制収容所に行かされる。ドイツのそれ、程は過酷でないとはいえ、訳もわからずいろいろ取り上げられた子供達はなお辛かっただろう。訳者さんの解説がわかりやすいので、感想文の手助けになると思う。2019/06/22