内容説明
結婚適齢期を過ぎた独身ＯＬ、連れ合いに先立たれた老人や資産家女性、一部屋だけ片づいた部屋がある主婦…。『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』と考えている片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら手助けをしていく。この本を読んだら、きっとあなたも部屋を片づけたくなる！
著者等紹介
垣谷美雨［カキヤミウ］
１９５９年兵庫県生まれ。明治大学文学部卒業。２００５年「竜巻ガール」で、小説推理新人賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
657
「あなたの心も片付けます」というキャッチフレーズの片付け屋・大庭十萬里と、その依頼主をめぐる中篇4本。報われない恋にしがみつくOL、妻に先立たれ身の回りのことができない老人、かつて名家だったが継ぐ者がいない屋敷の老女、そして長男を交通事故で亡くした機能不全家族。それぞれの散らかり具合に、それぞれの事情があって、部分部分で共感できるところもあり、読み終わったあと、私も盛大にモノを捨てた。捨てたあとは何だか晴れ晴れとしている。きっとこの物語の依頼主たちも、凝り固まった何かから自由になれたのではないかと思う。2014/01/18
mincharos
403
小林正観「そわかの法則」をずっと前に読んで以来、人生における掃除＆片付けの大切さは充分に分かっているつもりだし、整理整頓や掃除が大好きな私。なので大庭十萬里さんの顧客たちの成長っぷり＆人生が開けてくる様子を気持ちよく応援して読みました。単なる片付け指導ではなく、片付けが苦手な彼らの考え方の元となっているところまでを暴いて、彼らの周りの人たちまで巻き込んで改善していく様子はほんとにあっぱれ！コーチング的でもあり、十萬里さんに出会えた彼らは幸せだな！と思えた。2017/10/17
barabara
299
どこかでよく聞くような話だが、垣谷さんの文章の魔力で面白いように話が流れていく。最後の話は泣けたなぁ。長編じゃなくてよかった。一話一話、その人が片付けを通し人生を見通す、先に光が見える素敵な物語ばかりだった。152013/11/22
ダイ＠2019.11.2～一時休止
295
連作短編集。面白かった。別に汚部屋ではないけれど断捨離はなかなかできない（特に本とCD）・・・。2016/02/28
まちゃ
272
片づけ屋・大庭十萬里が片づけを依頼された部屋とそこに住む人を巡る人間模様を描いた短編集。どの物語も片づけ屋・十萬里がそこに住む人の心に寄り添い、心理的な問題を解決することで片づけを手助けします。部屋や住宅を片づけられない人々が前向きに進み始める様子が清々しく、非常に爽やかな読後感でした。面白かったです。2016/03/13
