PHP新書<br> 心と響き合う読書案内

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PHP新書
心と響き合う読書案内

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  • サイズ B40判/ページ数 317p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569705095
  • NDC分類 019
  • Cコード C0290

出版社内容情報

『万葉集』から『モモ』まで52作を紹介。

若い方には、最高のブックガイド。「本の虫」の方には、小説家による心に響く作品論。『万葉集』から『モモ』まで52作を紹介。

2007年7月、未来に残したい文学遺産を紹介するラジオ番組、『Panasonic Melodious Library』がTOKYO FMでスタートしました。パーソナリティをつとめるのは、『博士の愛した数式』『猫を抱いて象と泳ぐ』など独特の美しい物語世界をつくりだしてきた、作家の小川洋子さん。小川さんは「この番組は文学的な喜びの共有の場になってくれるのではないだろうか」と考え、出演を決心されました。本書は、このラジオ番組の一年分の放送をもとに再構成したものです。人間が虫になることより、さらに不気味な不条理を描いている『変身』(カフカ)、言葉ではできないことを言葉で書いた『風の歌を聴け』(村上春樹)、生産性のない、無目的な旅が持つ自由を綴る『阿房列車』(内田百閒)、「自分のために詠まれたのでは」と思える歌が必ずある『万葉集』など、計52編を紹介。若い人にとっては最高の文学入門、「本の虫」を自認する方にとっては、新たな発見が必ずある作品論です。

●第一章 春の読書案内 (『わたしと小鳥とすずと』『ながい旅』『蛇を踏む』「檸檬」『ラマン』『秘密の花園』「片腕」『窓ぎわのトットちゃん』『木を植えた男』『銀の匙』『流れる星は生きている』「羅生門」「山月記」) 
●第二章 夏の読書案内 (『変身』『父の帽子』『モモ』『風の歌を聴け』『家守綺譚』『こころ』『銀河鉄道の夜』「バナナフィッシュにうってつけの日」『はつ恋』『阿房列車』『昆虫記』『アンネの日記』『悲しみよ こんにちは』) 
●第三章 秋の読書案内 (「ジョゼと虎と魚たち」『星の王子さま』『日の名残り』『ダーシェンカ』『うたかたの日々』「走れメロス」「おくのほそ道」『錦繍』「園遊会」『朗読者』『死の棘』「たけくらべ」『思い出トランプ』) 
●第四章 冬の読書案内 (『グレート・ギャツビー』『冬の犬』「賢者の贈りもの」『あるクリスマス』『万葉集』『和宮様御留』「十九歳の地図」『車輪の下』『夜と霧』『枕草子』『チョコレート工場の秘密』『富士日記』『100万回生きたねこ』) 
●放送曲一覧  

内容説明

人間が虫になることよりも、さらに不気味な不条理を描いている『変身』(カフカ)。言葉では書けないことを言葉で書いた『風の歌を聴け』(村上春樹)。「自分のために詠まれたのでは」と思える歌が必ずある『万葉集』…。小川洋子さんと一緒に、文学の喜びを分かち合いませんか?本書では未来に残したい文学遺産を52編紹介します。若い方にとっては最高の文学入門。「本の虫」を自認する方にとっては、新たな発見が必ずある作品論です。人気のFM番組「Melodious Library」、待望の書籍化。

目次

第1章 春の読書案内(『わたしと小鳥とすずと』金子みすゞ―一個人の感情を越えた寂しさ、切なさ;『ながい旅』大岡昇平―謝罪する時にこそ、人間の本質があらわれる ほか)
第2章 夏の読書案内(『変身』カフカ―人間が虫になる不条理よりも不気味なもの;『父の帽子』森茉莉―父に溺愛された娘の自由自在な精神 ほか)
第3章 秋の読書案内(「ジョゼと虎と魚たち」田辺聖子―男の子なら愛さないではいられないジョゼの女心;『星の王子さま』サン・テグジュペリ―肝心なことはいつでも心の中にある ほか)
第4章 冬の読書案内(『グレート・ギャツビー』スコット・フィッツジェラルド―絶望という一点にのみ突き進んでゆく悲劇;『冬の犬』アリステア・マクラウド―厳寒の島に暮らす少年と犬の別れを、淡々と描く ほか)

著者等紹介

小川洋子[オガワヨウコ]
1962年、岡山県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞、91年『妊娠カレンダー』(文春文庫)で第104回芥川賞を受賞。2004年『博士の愛した数式』(新潮文庫)が第55回読売文学賞、第1回本屋大賞を受賞。他の主な作品に『ブラフマンの埋葬』(講談社文庫、2004年第32回泉鏡花文学賞)、『ミーナの行進』(中央公論新社、06年第42回谷崎潤一郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

303
小川洋子さんの読書案内。ラジオ番組の文字化らしい。全部で52冊(既読は30冊)。まえがきに「相手が同じ本を読んでいれば、話はいっそう盛り上がるでしょう。たった1冊の本で、ほかでは得られない一体感を味わうことができるのです」とあるが、これは全く読書メーターそのもの。そして、彼女は作家としてきわめて優れていると同時に、また練達の読者でもあることがよくわかる。とりわけ目を開かれたのがカフカの『変身』において、人間と労働の関係に着目しているところ。しかも、それを「報われない不幸な関係」として見事に喝破している。2015/02/05

ハイランド

125
日曜日の朝、ラジオから流れる「Melodious Library」。古今東西の小説を毎週一冊、小川洋子氏が紹介してくれる番組の一年分を掲載した一冊。困った、どんどん読みたい本が増えてくる。既読の本の紹介でも、新たな視点を提示してくれるから聞き逃せない。『銀河鉄道の夜』の紹介で「ほかの作家たちが手をとりあって星座の形をなしている中で、賢治だけは誰とも手をつなぐことなく、孤塁を守って、まったく独自な視点で小説を書いた人」とある。現役の小説家だからこその美しい表現。読む本は増えるけど次は「みんなの図書室」かな。2018/11/28

おいしゃん

94
選書が素敵!小川洋子さんのラジオ番組を書籍化した本だが、優しく語りかけるようなそれぞれの本の解説が、いい。さらに本に合わせたBGMの選曲も面白い。調べたら、今でも毎週日曜に、東京FMで放送中とのこと。よし、早速聴いてみよう。2015/02/26

AKIKO-WILL

78
小川さんがラジオで四季に合わせて13冊ずつ計52冊を1年間で紹介したのを文庫化したこの本!選んだ本も多岐にわたり、日本文学や外国文学、絵本、古典など範囲も広いです。52冊のうち5冊位しか読んだ事ないけど、読んだ事ない本はもちろん一度読んだ本でも小川さんの解説に再び読みたくなる。小川さんもオススメした武田百合子さんの『富士日記』が気になります。やはり好きな作家さんがオススメする本は外れはないはず。読みたい本が増える一方です。2016/03/01

TakaUP48

62
TOKYOFMの「メロディアス ライブラリー」をぼんやりと聞いていたら、宮部みゆきの「火車」をグイグイと推し進める著者の声が聞こえた。読んでみたい!という興味を持つには十二分な熱量だった。やや昔、放送した62編の小説の紹介。自分が昔々に読んだ本との再会。もう一度読んだら、受け取り方や感じ方が違っているだろう!と思わせてくれた本の数々。大岡昇平「ながい旅」、藤原てい「流れる星は生きている」、村上春樹「風の歌を聴け」、中勘助「銀の匙」、カフカ「変身」、ヘッセ「車輪の下」らに再読できたら、嬉しいと思った。2022/11/20

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