内容説明
本書は、大学理工系の学生を対象に、現代数学において最も基本的な概念である、代数系について詳説した入門的教科書で、表現論を含まない群論、可換な環論、代数拡大を主とした体論などの基礎理論から代数方程式の概略までを取り扱っている。これらの抽象代数を、単に定義・定理の暗記だけで終わらせることのないように、多数くの例題や演習問題を随所に取り入れることにより、基本的事項が自然と身につけられるように配慮されている。なお、各節ごとに、直積、共役といった言葉の由来や阿弥陀籖と置換の関連やガロア、オイラー、ラグランジュ他の数学者の生い立ちなど興味深いコラムも挿入されており、知らぬ間に読者を代数学の世界に誘ってくれる好著である。
