出版社内容情報
後退するデモクラシー
ここ数年、民主主義に巣食うポピュリズムが大きな注目を集めている。ブレグジットやトランプ政権はじめ各国はデモクラシーに特有の病理に苦しめられているというわけだ。
他方、こうした潮流はいまや「民主主義の後退」として、新たな局面に入ったと捉えることもできる。
その際、鍵となる概念が「権威主義」である。
本書によれば、民主化の「第三の波」(ハンティントン)にもかかわらず、権威主義体制は依然として政治の日常風景となっており、現在、数において民主主義国が権威主義国を超えてはいるが、もしこの傾向が続けばその優位は逆転するという。
私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、ビジネスパートナーや援助先として権威主義体制と関わり、また国内の権威主義化に向き合わなければならない地点に立っているのである。
民主化の波に洗われた権威主義は、より巧妙にアプローチしてくる。強権的でむき出しの暴力ではなく、柔軟かつ狡猾な統治がその最新版だ。
加えて、お馴染みの軍事独裁や一党独裁ではなく、個人独裁の比率が近年高まっており、その兆候になるべく早く気づくことが重要になってくる。身を守るための必読書!
内容説明
なぜ、世界のいたるところで権威主義や独裁政治が繰り返し立ちあらわれ、存在しつづけるのか。
目次
第1章 序論
第2章 権威主義政治を理解する
第3章 権威主義体制の風景
第4章 権威主義リーダーシップ
第5章 権威主義体制のタイプ
第6章 権威主義体制の権力獲得のしかた
第7章 生存戦略
第8章 権威主義体制の崩壊のしかた
第9章 結論
著者等紹介
フランツ,エリカ[フランツ,エリカ] [Frantz,Erica]
2008年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で政治学の博士号を取得。現在、ミシガン州立大学政治学部准教授。ラテンアメリカを事例として、民主化や権威主義体制の移行の研究で名高いバーバラ・ゲデス(Barbara Geddes)のもとで学んだ。独裁と権威主義の研究に的を絞り、近年、多くの学術論文と学術書を精力的に執筆している
上谷直克[ウエタニナオカツ]
1971年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学(政治学・修士)。現在、JETROアジア経済研究所地域研究センター・ラテンアメリカ研究グループ副主任研究員。専門は、政治経済学、ラテンアメリカ政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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