チェチェン 廃墟に生きる戦争孤児たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 425p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560080238
  • NDC分類 302.298
  • Cコード C0036

内容説明

徹底した破壊のあとに広がる「忘れられた地獄」―。そこに生きる人々の声を丹念に拾い、言論弾圧と人権無視の恐るべき実態を生々しく描いた戦慄のルポルタージュ。

目次

小さな狼
彼は短剣をとぐ
最初の戦争
狼狩り
帰還
グローズヌイの天使
虐待児
靄の中の暮らし
金曜の夕べ
寒い部屋で眠り、寒い部屋で起きる
メッカトクレムリンノ間
内なる敵
ようこそラムザンの国へ
新生グローズヌイと特別警護地帯
若者御殿
戦争と平和
この父にしてこの息子あり
お茶だよ、婆さん
プーチンに見守られ
名誉殺人

祖国のために
負と正
小さな狼と盗人

著者等紹介

セイエルスタッド,オスネ[セイエルスタッド,オスネ][Seierstad,Asne]
1970年生まれ。オスロ大学(ノルウェー)でロシア語、スペイン語、哲学史を学ぶ。特派員として、1990年代のロシア、中国を取材し、1998~2000年にはノルウェーのテレビ局を通じてコソヴォ紛争を報じた。2001年秋、アフガニスタンに渡って、北欧の有力紙に戦場ルポを送り、2003年春にはバグダッドでイラク戦争を報道。その功績が認められ、EMMA(民族多文化メディア賞)など数多くの賞を受賞した

青木玲[アオキハルミ]
翻訳家、ライター。1957年生まれ。東京大学医学部保健学科卒業。著書『競走馬の文化史』(筑摩書房)で1995年度ミズノスポーツライター賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

10
ちょっと古い本ですが、最近チェチェンのニュースを見ないのでどうなってるのか気になり購入しました。チェチェンが独立しようとしてロシアと戦争になったと思っていたのですが、最初はそうでしたが、その後は親ロシア派が独立派を弾圧するチェチェン人同士の内戦になっていたのですね。ロシア人のチェチェン人やコーカサス人への憎しみが凄まじく元通りになるのは難しそう。気になるのがイスラム教です。女性は男の言うことを聞けや子供は親族がめんどうをみるからと孤児院が廃止されてしまう。いつも犠牲になるのは女性と子供達だ。2017/02/15

Francis

3
数年間積ん読だった本。かつては日本でも報道されることもあったにもかかわらず、今や忘れさられようとしているコーカサスの国チェチェンの状況を伝えるルポ。孤児院や人権侵害に苦しむチェチェンの人々、傀儡政権のトップ、ラムザン・カディロフへのインタビューなどであまりにもむごいチェチェンの状況が浮かび上がってくる。この本が書かれてから数年経っているが、今もあまり状況は変わっていないようで、そのことに胸が痛む。今オリンピックが開催されているソチの近くでこの様な悲劇が繰り返されていることを世界はもっと思い起こすべき。2014/02/07

yooou

3
☆☆☆☆★ これほどまでに救いのない状況に陥っているとは思いませんでした。我々にできること、してあげられる事には何があるのだろうか。2011/02/07

yurari

2
単身でチェチェンに乗り込み、取材を重ねるノルウェー人女性の著者。独特な構成ですっと入ってこない部分があったが、危険を冒してこのルポを世に出したのは本当にすごい事。チェチェン民族の悪しき伝統、名誉を守るためには殺人も許容される事実が描かれており、落とし所がない絶望を感じた。●「ここはドイツじゃないんだ、報告書なんか届きゃしない。ここはロシアなんだ。別のルールで物事が動いているんだよ」●兵士の名誉。国の名誉。指導者の名誉。女の名誉。名誉殺人は広く行われている。実に広く。2022/02/27

テツ

2
読み進めるにつれてどんどん痛みが刺さる。世界には救いなんてないのかな。神様は何処にいらっしゃるのかとクリスチャンのはしくれとして思ってはいけないことまで頭をよぎる。結局どんな大義名分を掲げて始める戦争でも、傷つくのはこどもや女性など弱い立場の、声も出せない人間だということは決して忘れてはならない。ます起きていることを知ること。他人の痛みを理解しようと勤めること。その上で自分にできることは何かと考えること。どんな問題でも基本は同じだ。どうしたら混乱と争いの時代が終わる日が来るのだろうかと暗い気持ちになる。2013/04/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/246691
  • ご注意事項