内容説明
日本の林業は今、森の再生が可能かどうかの“最後の局面”にある。だが、林業の再生に向けて動き始めている人たちもいる。林野庁も新流通システムと新生産システムというメニューをつくり、間伐材をしっかり使ってゆく「社会システム構築」のために動き出した。日本の山再生に向けた新たな動きと、それを支える思想をレポート。
目次
第1章 “新生産システム”で「山は動く」か?(山が、動き始めた;“新生産システム”で林業は再生する―九州森林管理局長・山田壽夫さん、おおいに語る ほか)
第2章 「林業再生」は“道づくり”と“森の団地化”から(“道づくり50年”の大橋慶三郎さんに「崩れない道づくり」を学ぶ;「大橋学校」の生徒たち―“人工林のふるさと”五〇〇年の歴史の吉野で道づくり 岡橋清元さん(奈良県・清光林業代表) ほか)
第3章 「二十一世紀の森づくり」を訊く(日本の森は、いま―竹内典之さん(京都大学教授、人工林研究)に訊く
森林組合建て直しが“日本林業再生”のカギ―梶山恵司さん(富士通総研主任研究員)、湯浅勲さん(日吉町森林組合参事)との鼎談 ほか)
第4章 動き始めた“緑の時代”(森の力になりたい―四万十町臨時職員・立谷美沙さん(高知県)
子どもの時からの憧れやった―(株)とされいほく社員・大利猛さん(高知県) ほか)
著者等紹介
天野礼子[アマノレイコ]
アウトドアライター(アウトドアエッセイスト・ノンフィクションライター)。1953年、京都市生まれ。大阪市在住。中学、高校、大学を同志社に学ぶ。19歳より釣りを趣味とし、文化人類学者・今西錦司氏の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の水辺を歩く。1988年、文学の師・開高健とともに長良川と日本の川を守る国民運動を始める。2000年より高知県仁淀川町の営林署官舎あとを借り、釣りや著作活動に通い始める。地元の人々と「仁淀川の“緑と清流”を再生する会」をつくり、木質バイオマスや林業のなどの勉強を重ねる。2005年には『“緑の時代”をつくる』を上梓し、林業再生への勉強を始める。現在、新生産システム「高知中央」のアドバイザーも務めている。また2004年から京都大学が提唱する「森里海連環学」を高知県に誘致し、仁淀川流域の行政・市民とともに、森と川と海のつらなりを取り戻す大規模な実験を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。