出版社内容情報
比較法的研究成果を踏まえ、刑事訴訟におけるあるべき準備手続のあり方を提示し、日本の公判前整理手続等についても考察する労作。
目次
序章
第1章 刑事訴訟における準備手続の役割と構造(イングランド・ウェールズにおける答弁指示聴聞;アメリカ合衆国における公判前会議;わが国の刑事訴訟における準備手続論の展望 ほか)
第2章 公判前整理手続の手続的規制とその諸問題(公判前整理手続の手続的規制;公判前整理手続の手続的地位と証拠請求制限・主張制限;公判前整理手続と訴因変更)
第3章 刑事準備手続における諸手続の意義と機能(刑事訴訟における証拠保全機能についての一考察;公判前整理手続における証拠開示制度の課題と展望;裁判官と裁判員との役割分担について)
終章
著者等紹介
岡田悦典[オカダヨシノリ]
1968年生まれ。1992年3月一橋大学法学部卒業。1997年3月一橋大学大学院法学研究科公法・国際関係専攻(博士課程)修了。1997年4月日本学術振興会特別研究員(PD)。1997年10月福島大学行政社会学部専任講師。1998年10月福島大学行政社会学部助教授。2003年4月南山大学法学部助教授(2007年4月より同准教授)。2011年4月南山大学法学部教授。現在、南山大学法学部教授、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねお
15
英国における答弁指示聴聞(Plea and Directions Hearing)及び米国の連邦訴訟規則で規定されている公判前会議(Pretrial Conference)と日本の公判前整理手続を比較しながら、公判準備手続があくまで公判準備を準備するために必要がある場合にのみ要求されるものであるという本質を明らかにしつつ、厳しい主張制限を課すことは予定された通りの手続進行実現が至上価値となり、公判中心主義に反するばかりか被告人の権利を侵害し、公正な裁判の実現を損なうおそれがあることを指摘する。2022/03/22